日連で実施されるアートクラフトイベント「ふじのサニーサイドウォーク」の代表を務める いたやごし 恵さん 日連在住 43歳
「作家の思い」つなぐ存在に
○…紅葉が美しい秋の日連地区で11月初めから1カ月間に渡り、各所でクラフト作品の展示・販売やライブイベントが催される「ふじのサニーサイドウォーク」。10回目の開催となる今年、代表に就任した。「主催している私たちも心から楽しみながら運営しています。この楽しさをたくさんの方に共感してもらいたい」
○…「藤野の芸術と自然を知ってもらえるイベント」を目指し、2006年に地元の芸術家6人とともに開始。今では規模を増し、20軒の個人宅と店舗が参加している。そのうちの一つで、店長として展示・販売を行う「kum kumt」(クムクム)は、開始時の7人の頭文字を組み合わせた店舗名だ。「クムクムには、私が大好きな作家さんたちの作品が集まっています。私が一番のお客さんかも」と笑う。着ている服やアクセサリー、自宅にあるものの多くが、作家による作品。「手作り品の温かさやデザイン、使い易さを感じてもらえると嬉しいですね」
○…普段は、家業であるプラスチック加工に父親とともに従事する。加えて、整体師として自宅に施術台も持ち、部活動でソフトテニスに励む息子の影響でスポーツ整体の勉強も始めた。息子の部活動に参加し、選手たちのケアにも努めるため、「まるでマネージャーみたい」と言われることも。いま熱中しているのは農作業。畑を借りて、雑草や微生物の力を利用した無農薬・無肥料栽培に取り組む。「自然本来の力を『後ろから少しだけ手伝ってあげる』。そこが自分に合っている気がします」
○…芸術作品に興味を持ちだしたのは陶芸教室に通ったことがきっかけ。自身でもアトリエを借りて、陶芸制作を進めてきた。「手作り品は心を込めて作らないと、使う人の心に響きません。このイベントが、作品に込められた、作家さんたちの思いと、お客さんの願いをつなげられる存在になれば」。思いが詰まった1カ月がまもなく始まる。