生活に困窮するひとり親家庭に食品を配布する取り組みを進める 荒井 永理さん 聖ヶ丘在住 46歳
「つい親身に」つながり生む
○… きっかけは、昨年から広がる新型コロナの感染拡大。多摩市内の小学校が休校となり、給食で使用する予定だった食材が大量に余り「何とかならないか」と相談を受けたことが始まり。頭に浮かんだのが、コロナの影響を受け収入減などに悩むひとり親家庭の姿。「市内で貧困が要因とも思える、ひとり親世帯の痛ましい事件も起こった。何とかしなければという思いでした」
○…鍼灸師。聖ヶ丘でデイサービスを運営する。食事を提供し、運動指導やレクリエーションを企画するなど、高齢者らに「生きがい」をおくる毎日。積極的に利用者らに話しかけ元気づける日々だ。職業柄、様々なトラブルが目の前で起こるが、つい親身になって解決へと乗り出すのは昔からの性分。幼い頃はおてんば娘。今は聖ヶ丘の姉御といった存在だ。
○…自身もひとり親。子どもと共に虐待から逃げた経験をもつ。現在はハタチになる息子と生活するが、年ごろということもあり、最近あまり会話は弾まないのが正直なところ。ただ、看護系の学校に通う息子に対して成長を感じることもしばしば。虐待の悩みをもつ友だちに対して「『うちは理解のある家だから』と自宅に招き入れる姿に「そんな風に見てくれていたのか」とうれしさを感じたことも。姉御役の原動力となっている。
○…食品の支給を始めて1年が過ぎた。活動を通して、頼る場所がなく苦しんでいる家庭がいかに多いのか実感する時間にもなった。来月には活動の資金を高めるため、コインランドリーの事業を開始。売上の一部を使って、貧困世帯として見えずらい学生や高齢者らにも食品配布の間口を広げていく考えだ。「恩返しの気持ちで活動している。私も多くの人から助けられてきたから」
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