多摩市が主催する創業に関する講座の塾長を務める 金成 祐行さん 府中市在住 54歳
「ありのまま」受け入れる
○…多摩市内で創業するための経営理念や戦略などを学ぶこの講座の塾長を務めて15年。年３回開かれる講座では、税理士としての自身の経験をもとに会計の知識などを伝授している。一方で、志をもって事業に取り組むことの大切さを説くことを一番に考えてきたという。「志なんて理想じゃないかと言われることもあるんですが、もっている方が会社は儲かるんですよ」と笑顔をみせる。
○…普段から会社経営に関する相談を受ける毎日を過ごす。府中に立ち上げた事務所ではおよそ30人のスタッフを抱え、時にはチームワークが乱れるメンバーに対して「ありのまま」を受け入れる姿勢をもって解決へと導いている。「誰一人として排除せずに」がキーワード。互いの不得意なところを補い合い、法人として最高の結果を生む。それが経営者として心がけていることだ。
○…４人の子どもに恵まれた。なかでも、知的障害のある長男との歩みは長い。現在24歳になる息子は中学生の頃から突如パニックを起こし周囲を驚かせてしまうように。その騒動によって駆けつけた警察官に囲まれたことは一度きりではないと振り返る。「大変ですが、ありのままを受け入れる心が身についたのは息子のおかげです」。生まれ変わってもこの子の親でありたいと願う。
○…９月から今年度２回目の講座が始まった。集まるメンバーが専門とする業種が違うこともあり、毎回「色」が異なることが楽しいという。「ただの勉強会ではなく、仲間づくりの場になればと考えています」。心の奥底にあるのが、幼い頃憧れた宇宙海賊のアニメに出てきた主人公の姿。仲間を率いて未知の世界へと挑む――。自身の物語は今、盛り上がりを増しているところだ。
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