厚木市議会の泉修氏(みんなの党)が、昨年夏の市議当選後も低所得者向けの市営住宅に1年近く住み続けていたことを一部日刊紙が報じたことを受けて、市議会が政治倫理審査会を設置する方向で調整に入ったことが分かった。7月20日までに審査の請求が、みんなの党を除く各会派の議員から連名で議長に提出される見通し。議会事務局によると「審査請求や審査会の設置は厚木市議会史上初めてのことになる」という。
今回の件は、7月5日と6日に一部の日刊紙が報道したもの。泉氏は7日に市営住宅を退去している。
泉氏と市によると、泉氏が市内宮の里の市営住宅(3DK・約75平方メートル)に入居したのは2006年12月。家賃は共益費と駐車場代を合わせて4万2000円だった。市の入居基準は原則として控除後の月収で15万8000円以下となっている。泉氏は昨年7月の選挙で初当選し、8月から月額45万2000円(控除前)の議員報酬を得ている。
市は昨年9月ごろから明け渡しを数回にわたって求めてきた。今年3月には書面で通知。4月からは家賃を近隣の一般相場並みの9万5000円(共益費・駐車場代含む)に引き上げた。
泉氏は一連の報道を受けて「今回の件は、僕が120%悪いと思っています。当選して自分の立場をわきまえて、自分の家庭環境とか関係なく早くに引っ越すべきだった」と謝罪。「市議会の品格を下げてしまい、他の市議や厚木選出の県議、国会議員にまで迷惑をかけてしまい反省しています」と話している。
原則公開で審査
市議会は5日の報道を受けて、同日と翌6日に臨時の代表者会議を実施。6日夜には小島一郎議長と川口仁副議長が泉氏を呼び、口頭で注意した。11日には市議会全員協議会が非公開で行われ、泉氏が経過などを説明し謝罪。その後の会派代表者会議で、議会として対応する手段として審査会を設置する方向性が出た。
小島議長と川口副議長は「公的な立場の市議が、明け渡しの努力義務が発生した市営住宅に居住し、指導を受けられていたことは市民の信頼を損ね、市民からの批判叱責を頂くことになり大変残念。市議会としても市民の皆様にお詫び申し上げます」とコメントした。
審査会は政治倫理要綱に基づいて原則公開で行われる。議長が指名した議員が審査し、報告書を提出。議長は報告事項を尊重し、政治倫理基準に違反したと認められる場合には、警告や辞職勧告などの措置を講じることになる。市議会の倫理のレベルが問われそうだ。
(7月17日起稿)
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