店内いっぱいの油絵が気になって覗くと、加藤久太郎さん(83)が迎えてくれた。今も現役で自転車の販売・修理を行う傍ら、”60の手習い”で始めた創作活動にも精を出す。
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現店舗と同じ場所に自転車店を興した父が亡くなったのは、加藤さんが11歳の時。「一年中お腹いっぱいになったことなんてなかった」終戦前後が成長期。7人兄弟を女手ひとつで育ててくれた母の助けになればと、厚木中を卒業後、横浜市鶴見区の同業者に3年半の修業に出た。二十歳で幸町に創業。大型店がなかった当時が「思えば一番繁盛したかなぁ」。毎日懸命に働いた。
余暇の楽しみに、と通信教育で学び始めた油絵。題材は相模川や七沢など地元の風景が中心だ。「実物を見ないと描けない」と現地に赴き軽くデッサンし、店内で腰を据えて描く。総作品数は、はがきサイズから80号の大作まで、600点ほど。そのうち店内には50点ほどが並ぶ。新作が完成すると入れ替える展示を、楽しみにする人もいるという。
元気の秘訣は、妻の手料理とともに楽しむ毎日の晩酌。出てくるおかずでその日のお酒を選ぶ。「ストレスためずに、がんばりすぎないのがいいんだよ」。柔和な笑顔に肩の力が抜けた。
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