庶務担当理事を務める窪田隆浩医師
５月末に神奈川県でも緊急事態宣言が解除された。学校をはじめ、公共機関や商業施設などが順次再開しはじめたが、まだ新型コロナウイルスがなくなったわけではない。新しい生活様式のなかで、私たちが注意すべきこととは何なのか。５月に開設した厚木ＰＣＲ検査センターの現状とともに、一般社団法人厚木医師会の理事で庶務担当の窪田隆浩医師（内科小児科窪田医院）に聞いた。
■厚木ＰＣＲ検査センターの検査状況と、１カ月の検査の振り返りをお願いします。
―５月末までのＰＣＲ検査の件数は73件でした。検査では、検査者が感染しないよう、感染防御を徹底しました。国が定める基準より、厳しい防御対策をして検査を行っています。
■緊急事態宣言は解除されましたが、今後のＰＣＲ検査センターの予定を教えて下さい。
―ＰＣＲ検査センターは当面の間、継続していきますが、検査効率、検査者の負担軽減から、現在の検査方式を変更する予定でおります。現在の検査は鼻に綿棒を挿入する「咽頭鼻腔拭い液法」ですが、「唾液検査」に変更する予定です。唾液検査の方が、これまでの検査と比較して、時間を短縮できることから、より検査件数を増やすことができます。また、これから夏に向けて気温が上がると、防護服をまとって検査をする医師の負担も大きくなるため、検査者の負担軽減にもなると考えています。
■緊急事態宣言が解除され、健康の観点から市民が心掛けるべきことを教えて下さい。
―ＰＣＲ検査では、約２週間前の感染状況を見ることができます。その結果を見ると、ゴールデンウィーク中から連休明けまでは、感染抑止ができていたと言えます。しかし、緊急事態宣言が解除され、外出機会が多くなり、所々に散発の可能性が出てきます。まずは、手洗いやマスク着用、三密の回避など、感染抑止を十分に行ってください。そして、これから気温が高くなると、熱中症や脱水症を起こしやすくなります。これらの疾患は、初期症状が新型コロナウイルス感染症と似ていて、見分けがつきにくいです。こまめな水分補給と室温管理を心掛けて下さい。家で冷房を使う場合は、コロナ対策として換気を１時間に１回程度行いましょう。
■発熱やだるさなどの症状がある場合、どうしたら良いでしょうか。
―新型コロナウイルスが流行し始めた時は、院内での感染を防ぐため、軽症者の方には、自宅で経過観察するようにお願いしていました。しかし、現在は、発熱やだるさなど、症状がある場合はすぐにかかりつけ医に相談して下さい。持病をお持ちの方や、通院されている方は、受診控えはしないで下さい。各医院ではコロナ対策を行っております。また、特定健診のほか、肺炎球菌の予防接種、お子様の予防接種など、今のうちに済ませておくことも検討して下さい。新型コロナウイルス感染症の第２波、第３波を警戒しておくことが重要です。何かご不安な点があれば、地域のかかりつけ医にぜひご相談ください。
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