もっと鋭く大胆に 劇作家 横内 謙介
1回きりのイベントで終わるかと思われたあつぎ映画祭が多くの人々の努力によって2回目を、しかも内容を深めて開催された。
2日目のプログラム、小山明子さんを迎えて、故大島渚監督を偲びつつの名作上映とトークが意義深く、盛り上がったのは当然のことながら、1日目に行われた映像の専門家たちによるフォーラムと「あつぎ映像コンテスト」の表彰、受賞作上映は特別ゲストの東陽一監督の溢れる映画愛にも支えられ、この会を極めて上質な文化イベントに押し上げてくれた。
これは神奈川工科大学、東京工芸大学という、厚木にある大学の映像系のプロの先生方のお力添えにもよるもので、こういう官民の協同と、硬軟の混ざり具合が、未来に向けて大きな希望になると感じた。
一方で課題も残る。映画祭は市の生涯学習課、フォーラム、コンテストは市の広報課の管轄ということになっている。文化財団、文化会館はこのイベントで担うものはなく、あくまでも施設を貸す側となっている。関わった人々は心を合わせてイベントを成功させたけれど、縦割り感は否めない。
文化芸術振興条例が成立した以上、国で言えば、文化芸術に特化した文化庁のような役割の組織を起ち上げる時だと思う。
かつて厚生省が厚生年金会館を全国に建て、郵政省がメルパルクホールを建て、それぞれに劇場を運営していた。それが近年の不況のなか持続困難になり、各地で競売されたり、取り壊されていることはご存じだろう。文化は多様であることが望ましい。
しかし今の限られた予算を横並びで奪い合うのは無駄だ。私は文化財団の予算と権限を大きくして、市の文化芸術関係の案件を一元化することが望ましいと思う。
映画祭もパルコ跡地の文化施設も、一手に担う組織にしてゆくのだ。現状、文化財団は文化会館の指定管理者という立場に留まるしかない状況なのが、関係者として何とも歯がゆい。この町の文化の心臓部は不明瞭で、未来図も未だ定かでない。
厚木は映画館がないのに、こんなに凄い映画祭のある町だ。人材もいて気持もある。もっと鋭く大胆に文化環境を整えるべきだ。
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4月19日