お堀に飛び込み男性救出 お手柄警察官に署長賞
小田原警察署(上田雅人署長)地域課の辻政之巡査部長(35)と加藤清政巡査(32)が7月24日、人命救助の功労を評価され署長賞を受けた。
辻巡査部長と加藤巡査はパトカー勤務。小田原駅西口ロータリーを警ら中の23日午後3時半頃「お堀で人が溺れている」との通報を受け緊急出動した。2分足らずで現場へ到着するとお堀には仰向けで浮き沈みを繰り返し、辛うじて水面に顔を出す男性の姿があった。消防署にも通報されていたが「待っていられない」と判断。辻巡査部長の脳裏をよぎったのは2年前、前の配属先で、溺れた人を救出しようとした同僚が殉職したこと。耐刃(たいじん)防護衣(刃物を通さないベスト)や拳銃など重さ5kgを超える装備を身に着けたまま着水したため起きた出来事だった。そこで拳銃や手錠を加藤巡査が預かり、救命浮き輪を抱えて辻巡査部長がお堀へ。「水が濁っており深さがわからない。正直躊躇した」が、衰弱した男性に浮き輪を抱えさせ「大丈夫ですよ」と励ましながら救出。レスキュー隊は男性を地上に引き上げた後に到着したという。
加藤巡査は「経験が浅く慌てたが、辻巡査部長の姿を見て落ち着くことができた」と話す。「24時間行動を共にする相方と連携を密にした結果」と2人は声を揃える。赤間信之地域第三課長は「緊迫した状況のなかでよくやったと誇らしい。今後が楽しみ」と労った。
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