定時制就学精進生を表彰 両立成し遂げ、晴れの春 山崎さん・石綿さん
この春小田原高校の定時制を卒業した山崎歩さん(18)と小田原城北工業高校の定時制を卒業した石綿悠希さん(19)が、就学精進生として表彰された。小田原地区高等学校定時制教育振興会(会長・加藤憲一小田原市長)が定時制高校に通う生徒の中から、学業と仕事を両立し、実績が特に優秀だった生徒を表彰するもので、2人には賞状と記念品が贈られた。加藤市長は「2人は後進の良い模範。周囲への感謝の気持ちを忘れず、自分の生きる道を、確信を持って歩んで」とエールを送った。
小田原高校の山崎さんは、ベーカリー「レロア」でアルバイトをしながら、学校に通い続けた。自ら「中学時代は荒れていた」と話す山崎さん。進路決定が遅れ、周囲の薦めで、定時制を選んだ。「先生が話を聞いてくれ、中学時代のことも『関係ない。気にするな』と言ってくれた。毎日が楽しかった」と話す。学校とアルバイトだけでなく、ボランティア活動にも積極的に携わっており、4月から短大に通い、夢だった保育士を目指す。
進路を決定する中学3年の夏に脳血栓で倒れてしまった石綿さん。家庭での療養を余儀なくされ、定時制に進学した。入学後は家計を助けるため、(株)東海ビルメンテナス(本社・市内本町)で箱根地区のホテル清掃に従事した。高校で陶芸部に入り、2年連続で表彰されるなど新しい喜びも見出した。市内府川の(有)原鉄筋工業所に就職が決定。「人々の役に立つ」という目標のもと新しいスタートを切った。
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