小田原愛児園(浜町)で4月27日、桜の木が植えられ、植樹祭が行われた。園には60年以上にわたり、約6千人の園児を温かく包んできた2本の桜の木があったが、1本は2011年に台風で倒れ、残った1本も倒木の恐れがあるため21日に伐採されたのだった。
伐採を前に、園では「桜のお別れ会」が行われた。宝安寺住職で、同園理事長の望月郁文氏が桜の木を酒や塩で清め「子どもたちが良い子でありますよう。すべてのものが幸せにつながりますよう」と園児らと手を合わせた。園児は「お花が綺麗だった。みんなで絵を描いたり楽しかったよ。お別れは少しさみしいけど、今までありがとう」と語りかけ、歌を歌い桜に触れ、最後のお別れをした。
樹齢は約70年。高さ約20mの老木の伐採には丸一日を費やした。轟音を響かせチェーンソーで刻まれる桜が気になるのか、園児らは終始ベランダから「小さくなっちゃった」と身を乗り出してその様子を見つめていた。
代々愛された桜
桜が植えられたのは1953年3月。その2年前に現在の浜町周辺で発生した『万年町の大火』と呼ばれる大火事で330世帯、1501人が被災した。その後、慰問で小田原を訪れた高松宮殿下に「復興のシンボルに」と園が桜の植樹を依頼したのだった。
以来桜は大事に育てられ、園児や近隣住民を見守ってきた。春には満開の花を咲かせ、夏には強い日差しから子どもたちを守った。秋には落ち葉で焼き芋大会をし、冬には裸の樹が陽だまりをつくり、四季を通じて、子どもたちの傍で2本並んでゆったりと佇んでいた桜。その姿が園生活の風景から消えてしまうことは、関係者にとってあまりにも衝撃的だった。お別れ会の前には、職員全員で夜桜を楽しみ、思い思いに桜との最後の時間を過ごしたという。
若い力すくすくと
今まで桜があった場所に4月27日、新しい桜の木が植えられ、植樹祭が行われた。園児らは「愛児園へようこそ。大きく、おっきく育ってね」と呼びかけ、まだ若い2mほどの桜の木に土をかけた。望月理事長は「新しい若木とともに、子どもたちもすくすくと育ってほしい」と思いを寄せた。
形を変えて繋ぐ温もり
椎野あい子園長は、台風による倒木について「園に迎えで一番人が集まる時間だったのに、誰にも、物にすらぶつかることなく、まるで避けるようにきれいに倒れ被害はなかった」と感謝の気持ちと共に振り返る。
60年にわたり園児たちを見守ってきたその桜を「なんとか後世に伝えたい」との思いから、現在は積み木やテーブルとして生まれ変わり、園児らと生活を送っている。今回切られた桜も同様、積み木に生まれ変わって子どもたちのもとに帰ってくる予定。
また園では、東日本大震災で被災した保育園の復興支援と交流を目的に「想い出さくら基金」を立ち上げており、寄付してくれた人に桜の端材をキーホルダーにし、プレゼントしている。手作りおもちゃやぞうきんと共に、今後送られる予定だ。「桜がきっかけで保育園同士の繋がりが広がっていく。継続的に続けていきたい」と椎野園長。2本を失った悲しみを乗り越え、新たな歴史が始まった。
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