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畑で育てる生きがい 自然農法に励む

社会

公開:2016年10月8日

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古希を前に就農をめざす金子さん
古希を前に就農をめざす金子さん

 地産地消の食環境づくりを目的に、各家庭における野菜栽培の普及に励む「自然農法おだわら家庭菜園研究会」(町田達哉会長)。農薬や化学肥料を使わない野菜づくりを学ぶかたわら、初心者向けの自然農法講座なども企画している。現在、賛助会員を含めて90人が所属。農業をキーワードに集い、健康的で充実した日々を送る会員の姿がそこにある。

 カボチャ、ピーマン、ネギ、ミョウガ―。9月24日、小田原フラワーガーデンの研修室に、丸々と太った野菜がずらりと並んだ。会員らが育てた野菜の展示会も、今年で10回目。実践事例報告も行われ、登壇した平良裕康さんは、米ぬかを混ぜて発酵させる培養土づくりから始め、スイカやトマトなどを育てた今夏の体験について写真を交えながら紹介。妻の病を機に、食に関心をもって自然農法に取り組み始めたという平良さんは、「土に入れるものが安全なら、農産物も、それを食べる人間も健康になる」と持論を述べた。

 その後に行われた懇談会に出席した加藤憲一市長は、「専業農家を増やすことは難しくても、家庭菜園のような小さな面積でも多くの人が野菜を作れば食糧自給率も上がる」。そのうえで、「重機を必要としない自然農法は、高齢社会にふさわしい」と意見を述べた。

   *   *   *

 長年にわたり趣味で家庭菜園を楽しみ、趣味が高じて古希を前に新規就農をめざす女性もいる。市内久野在住の金子早苗さんだ。5年前に同会の展示会で野菜を試食、市販とまったく異なる味や香りに衝撃を受けた。以来、同会の会員として自然農法を学び、より本格的に取り組もうと昨年12月には市が新規就農者に実施する支援事業に申請した。

 「堆肥として集めた枯葉を持ち上げるのは重くて大変。もう少し若ければ」と苦笑しつつも、小田原の市街地や相模湾を眼下に眺めながら励む農作業は格別。吹き抜ける風を浴び、木陰のハンモックで一休みすると「気持ちが清々する」とうれしそう。正式な許可を得るため、現在は自ら立てた年間スケジュールに沿って野菜や果物を育てる日々。「この間、収穫前の落花生が一晩でハクビシンにやられちゃった」など苦労も多いが、「嫌なことも畑では全部忘れられるの」と日焼けした笑顔を見せた。

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