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新春特別医療企画 高まる地域医療の重要性 小田原医師会・横田俊一郎会長に聞く

社会

公開:2017年1月1日

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横田俊一郎会長
横田俊一郎会長

 4月には後期高齢者の医療費値上げを控え、予防の重要性が高まると思われる2017年が幕を開けた。本紙では新春企画として、地域医療を支える小田原医師会の横田俊一郎会長に今後の方針などについて聞いた。

 ――2016年は医療界や小田原医師会にとって、どのような年でしたか?

 「医療界においては、地域医療のありかたについて考えた年でした。小田原医師会としては、ストレスチェック事業を始めたこと。また、小田原看護専門学校が来年で閉校になり、高等看護学校の定員が40人から80人に増員されるため、その準備を進めてきました」

 ――小田原における地域医療のあり方とは?

 「たとえば横浜や川崎といった都市部は東京へのアクセスも良く、先進的な医療を身近で受けられる環境にありますが、小田原はそうではありません。だからこそ、さまざまな疾患を地域内で診ることのできる体制づくりが大事と考えます。

 その点、県西地域の医師は昔から「地域内でなんとかしよう」という意識が高く、この地区の自己完結率は今も高い状況にあります。今後もこのやり方を守り続けることが、小田原医師会にとって大事です」

 ――自己完結率とは?

 「基本的な入院疾患や主な疾患について、その地域内でどの程度対応できるのかを数値化したものです。

 たとえば糖尿病は、眼や腎臓などにさまざまな病気を併発する可能性がありますが、それらすべてを同一地域で診られるということです。これは地域の魅力にもつながるはずです」

 ――4月に地域包括支援センターが市内に4カ所増設予定です。2025年を目途にした地域包括ケアシステムの構築に向け、大きな前進となりますね。

 「地域包括ケアシステムは、小田原だけでなく国全体で推進されています。小田原医師会が運営する地域医療連携室は、このシステムのなかでは在宅医療に関する相談窓口に位置付けられています。具体的には、医療機関の紹介や訪問診療に関する情報提供などを行うこと。今後は介護関係者や地域包括支援センターなどから、医療的な相談を引き受ける方針です。介護は医師会として深くまで立ち入れないので、全体の調整は地域包括支援センターが担うべきと考えています」

 ――市立病院は昨秋、2年ぶりに里帰り分娩の受け入れを再開しました。

 「妊婦さんは精神的に不安定なので、住み慣れた環境でお産や子育てができることが大事。小田原で生まれると将来的に戻ってくる人が多いので、そういう意味でも受け入れ再開は良いニュースでした」

 ――ストレスチェック事業の状況を教えて下さい。

 「労働安全衛生法の改正により、一昨年12月から従業員50人以上の事業所に対して全従業員へのストレスチェックが義務づけられました。小田原医師会ではこれを新事業として始めましたが、多くの企業から依頼を受け、初年度から順調なスタートを切りました」

 ――ストレスチェックを医師会単位で行うのは、全国的にも初だそうですね。

 「チェックそのものは誰がやっても難しくありません。しかし、高ストレス者と判定された時、本人や家族への対処の仕方がすごく大事になります。だからこそ、治療を含むアフターケアまで一貫して行える医師会は、事業の担い手としてふさわしいと考えています」

 ――全国的に看護師不足が叫ばれています。

 「小田原ではそれほど不足感はありません。小田原には看護学校があり、ある程度人材を供給できるのが大きいのではないでしょうか。県西の端にありながら高い自己完結率を維持できるのは、看護学校の存在により地元に看護師を養成できたことも一因と思います。

 一方、今年から准看護学科の募集を停止し、来年には看護専門学校を閉校します。高等看護学校は今年から定員を40人から80人に増員、名称も「おだわら看護専門学校」へ変更します。今後の地域医療に貢献してくれる人材になるのではと期待がふくらみます」

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