九州北部を襲った集中豪雨の報道で「これまでに経験したことのないような雨」が再び注目されている。身近に迫る危険をいかに察知し、速やかな避難をするかが重要視されている。
命を守る情報のひとつに県が今年3月に更新した「酒匂川洪水浸水想定区域図」と「神奈川県雨量水位情報」がある。
2級河川の酒匂川を管理する県が、これまで想定していた約1・5倍にあたる日総雨量530ミリを前提に浸水想定図をつくった。
これによると従来の想定では浸水のなかった穴部駅、五百羅漢駅、井細田駅、足柄駅、小田原駅の西約750メートルまで浸水想定区域が拡大した。鴨宮駅周辺や小田原アリーナの周辺でも3〜5メートルの浸水が想定されている。
「神奈川県雨量水位情報」では、市内5カ所を含む県西地域22カ所のカメラ画像と29カ所の水位をはじめ、41カ所の時間雨量と累計雨量が10分ごとに更新されている。情報はパソコンのほか携帯、スマートフォンの専用サイトがあるので手元でも常に確認できる。
国は昨年末、風水害時の避難準備に関する情報の名称を【1】「避難準備・高齢者等避難開始」、【2】「避難勧告」、【3】「避難指示」―の3段階に改称した。
特徴は高齢者や、体の不自由な人、小さな子がいる人など避難に時間のかかる人に「避難準備」の段階で避難を呼びかける点にある。
「これまでに経験したことのないような雨」に降られても、今いる場所の浸水や土砂災害の危険性を事前に調べ、雨の状況をリアルタイムで知り、早めに避難するための備えがあれば、身近な災害の減災につながるのではないだろうか。
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