台風一過の福井で、73年の歴史にその名を刻んだ。10月9日まで行われた第73回国民体育大会。相撲競技少年男子の部で、神奈川県チームが史上初の準優勝を成し遂げた。主軸を担い、歓喜の輪の中にはいたのは、旭丘高のモンゴル人留学生チョイジルスレン君とダライバートル君だ。
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県強化部長でもある岸田光弘監督(旭丘高)の構想は3年前からあった。インターハイ経験組の中村隼輔君(慶應義塾高)や松村将伍君、幼少期から知る津田鷹秀君(共に向の岡工高)に脂が乗り、「絶対に必要な最後のピース」である留学生2人、全員が最終学年になる今年に照準をあわせ、1年時から県全体の強化を図ってきた。県大会ではライバル同士だったメンバーは、関東や全国の舞台で互いに励まし合ってきた仲。切磋琢磨し続けた5人が、チームとなって集結した。
2人にはもう一つ、団体戦にかける特別な思いもあった。高校の主要な大会では留学生枠が定められており、同じチームに入る事はできない。これまで旭丘の名で戦う団体戦は片方が控えに回るしかなかった。「2人じゃなかったら、ここまで強くなれなかった」(ダライ君)。同じチームで日本一を目指せる最初で最後の大会。喜びを持って、土俵にあがった。
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5人制で3戦し、上位16チームが2日目の決勝トーナメントへ進むと同時に、3戦全勝した選手が個人戦にも出場できる。「負けたら引退、1戦ずつ楽しもう」と声を掛け合った5人は各自持ち味を発揮。誰一人土をつけず、3戦全勝の完勝で翌日へ駒を進めた。
強烈な暴風のなか山道を進み、20Km程離れた宿舎に戻った。「途中木が倒れて、会場に着けなくて引退っていやだよな」そんな冗談も話ながら夜が明けると、澄んだ青空が広がっていた。「よかった、試合できるな」
強豪との決勝T(トーナメント)は星の奪い合いだった。誰かが落とせば、すぐさま次で取り返す。各県がエースを配した二陣を務めたチョイジル君は「仲間が強く、頼もしくて、勝ち上がれた」。
そして迎えた決勝で、3年連続優勝の埼玉と激突。チョイジル君は世界ジュニア、IHと頂点を前に立ちふさがった齋藤大輔君(埼玉栄高3年)をあびせ倒しで退け、五分に戻す金星をあげた。続く中堅が敗れ、あとがない副将戦へ―。「イメージはできていた」というダライ君だったが、一瞬の隙を突かれ、寄り倒しで勝負あり。相手が予選で負傷したという情報もあり「甘さが出てしまった」と唇をかんだ。
それでも王者を最後まで苦しめ、県勢初の準優勝をつかんだ。個人戦はどちらもベスト8前に散ったが、「最後にこのメンバーで戦えてよかった」とダライ君。チョイジル君は「悔いのない試合をしたかった。皆と戦えたことは、一生忘れない」。
2人は今後、共に体育系の大学に進学し、相撲を続ける。最初は言葉も通じず「苦しさ9割」(チョイジル君)だった。ただ必死に汗を流し、「365日、ずっと一緒」(ダライ君)の月日で得たものは、よきライバルであり、最高の仲間。高校最後の大会を終えた2人の顔は、あの日の秋空のように、晴れやかだった。
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