県立西湘高校(山田五郎校長・生徒939人)が新型コロナ感染症対策の一環として、図書館に来なくてもスマートフォンやタブレットなどで書籍を読める「電子図書館」を4月から導入している。同サービスは県内公立高校では2020年11月に導入した大船高校に次いで2校目。
本離れに危機感
西湘高校ではインターネットの発達による「本よりスマホ」という生徒の状態に危機感を抱いてきた。3年ほど前から、学校司書・今井紀子さんが「スマホでも本を読める環境があれば」と電子図書館の検討を進めてきたが、高額な初期費用と一般書籍の2〜3倍のコンテンツ料に断念したという。さらに、昨年からのコロナ禍も重なり、本の貸出返却そのものに対しても生徒の負担が増え、悩みを抱えていた。
そんな中、電子図書館サービス「オーバードライブ」が学校図書向けに初期費用を無料にしていることを知った今井さんは、昨年12月に学校に提案。PTA役員にも了解を得て、図書館整備費を月額150円から200円に値上げすることで、春からの導入が決まった。
電子書籍に期待
持ち歩きに不便な大型本やデリケートなテーマの本などを選書し、まず97冊を購入。4月は38冊、5月は27冊が貸し出された。今後は生徒からのリクエストを踏まえ月10冊を目途に、電子書籍を購入していくという。
今井さんは「学校と保護者の理解で導入できた。どんな形であれ生徒に本が届いていくことが大切。読みたくなるコンテンツを増やしていきたい」と語った。
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