「事件に負けるな!」 卒業生がノート集めに奔走
酒匂中学校(浜野顕彦校長)で何者かが侵入し、教室が荒らされ、水浸しにされた事件。事務室のパソコンや生徒たちの教科書なども水に浸かってしまうなど被害が出た。この事件を知り、在校生のために卒業生がノートを集めている。
祝日だった今月11日の午後6時。酒匂中の卒業生、小嶋円香さん、遠藤叶美さん、野地蒼奈さん(いずれも16歳)の3人は、鴨宮駅南口でノートの寄付を募っていた。彼女たちは無料でメッセージや通話ができるスマートフォンアプリ「LINE」やインターネットの動画共有サイト「YouTube」などを駆使し、被害にあった在校生たちのために未使用のノートの寄付を呼び掛けた。寒空の下「ノートを集めています。ご協力お願いします」という声に引き寄せられ、他校の生徒や親子連れがノートを託し、1時間ほどで約100冊が集まった。
小嶋さんは「誰がリーダーで、誰がはじめたとかではなく自然とLINE上ではじまった」と経緯を教えてくれた。遠藤さんは「今後は校内の修繕費などにあててもらえるように、ノート以外にも募金活動も行っていきたい」と話し、野地さんは「卒業生以外の人も協力してくれることが嬉しい」とやりがいを感じている様子だった。
ノートは彼女たちを含め、複数の窓口から800冊以上が届けられ、全校生徒598人に一人ひとりに配られた。
保護者や地域住民他校からの支援も
事件のあった5日、報道で被害を聞きつけた酒匂小学校や富士見小学校、白鷗中学校など、近隣の学校からは天井から水漏れする教室を覆うためのブルーシートが届けられた。保護者や近隣住人からは自主的に手伝いの申し出があったという。伊東宏幸教頭は「多くの方に心配頂き感謝しています。本当に心強かった」と感謝の言葉を述べた。
なお、12日現在、同校の5つの教室が水没により使用できず、被害にあっていない教室で対応しているという。また犯人は未だ捕まっていない。
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