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湘南藤沢徳洲会病院 医療レポ【11】 大人で悩む人も多いそけいヘルニア(脱腸)
今回紹介する「そけいヘルニア」は脱腸とも呼ばれ、子どもの病という印象が強いが、むしろ大人に多く、手術が必要な病気だ。これまでは入院の煩わしさや手術の痛さなどから敬遠がちの人も多かった。そんな中、患者の身体負担が少なく、効率的な日帰り手術が注目を浴びている。
「そけいヘルニア」は本来、閉じられているはずの鼠径管というトンネルから組織が弱くなることで臓器が出てくる病気。主に中年男性が罹りやすいという。
治療方法は、そのトンネル出口を塞ぎ、臓器が飛び出ないようにする。以前は自分の組織を引っ張りながら縫い合わせる手法が主流だったが、この方法は痛みが生じるという点があった。
現在、湘南藤沢徳洲会病院で主に行っているのは、痛みが生じない合成樹脂製のメッシュ(網)を患部に固定する方法。これは患部が長い期間補強され、病気の再発率は1%以下(これまでの手術は10%強)と、格段に低くなったことも特徴の一つだ。 そのメッシュを内側からあてて補強する新たな治療法が「クーゲル法」。患部の内側から形状記憶メッシュを幅広くあてることで、これまで以上に補強が丈夫になった。外からメッシュをあてていた従来法と比べて「より強固で術後早期に運動が可能」「そけい部の組織を壊さず、傷も小さいので違和感も少ない」といったメリットがある。
同院では、症状が酷くなる前に日帰り手術を視野に入れながらかかりつけの医療機関に相談してみることを勧めている。■取材協力・湘南藤沢徳洲会病院
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