西海子通り保健所跡地 後世に残すのは「景観」か「後悔」か デスク・レポート
▽市内でも有数の桜並木がある「西海子通り」は、「お屋敷町」として知られる。江戸時代には武家屋敷が立ち並び、通りの一角に建つ小田原文学館は、元宮内大臣の田中光顕伯爵の別邸だった。そんな小田原城下の風情を残す閑静な住宅街が今、景観の保全を巡り、危機に直面している。
▽西海子通りに面する神奈川県保有の更地(小田原保健福祉事務所跡地・約1
000坪)が今年7月、一般競争入札によって売却されると発表された。地元では一部の住民が、土地が細かく分譲・販売されることで、城下町の面影を残す景観が崩れることを危惧し、売却の延期を求める動きを始めた。
▽小田原市には県から2度、土地取得に関して照会があったが、駅前再開発など、いわゆる大型案件に今後予算が必要なことなどを理由に、取得は困難、と回答している。地元住民からの、公園や広域避難所として跡地を有効活用してほしい、との要望にもについても既存の施設で代替が可能、と取り付く島がない。財政的な理由は理解できるが、小田原市の進める「まちづくり」の方針と照らし合わせてみても、もう少し時間をかけて丁寧な議論があっても良いのではないだろうか。
▽小田原市は都市景観ガイドプラン(1990年)の中で、魅力ある街並みの保全のため、敷地の細分化
防止などの方針を示し、その代表例として西海子通りをあげている。2011年に策定された総合計画では、地域の特性に合わせた計画が示されている。西海子通りのある十字地区は、地域の誇りとして、歴史を感じる町並みを掲げている。また同年には、国交省の歴史的風致維持向上計画の認定を受け、歴史的環境や景観に配慮したまちづくりを進めることを謳っている。
▽歴史的な空間や景観は、一度失うと二度と元に戻ることはない。小田原はそこに気が付いた。だからこそ、大型案件もいったん見直し、地域ごとの特性を活かすまちづくりも推進してきたのではなかったのか。往時の高度成長は望めず、人口減少社会に突入した現代。後世のために何を財産として残すのか。後悔しない決断のため、あらゆる手立てを尽くしてほしい。
▽保健所跡地の入札は10月18日(金)。詳細は9月17日(火)に発表される。県は、変更・中止の可能性も示唆している。このほど地元では議会に陳情書を提出した。市は、この陳情を理由に、住民と議論を尽くす時間を確保したい、と県に「入札延期」を求めるのも一つの方法だ。時間はまだ充分にある。
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