小田原・箱根・湯河原・真鶴版
公開：2017年7月1日
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水濠を越える山内君。腕には小田原魂の文字
山内滉士郎君（旭丘高３年）が最後の夏、一気にスターダムを駆け上がった。３０００ｍ障害で４位に入賞し、同校陸上部史上初のＩＨ切符をつかんだ。
陸上を始めて２年。当初フォームはバラバラで、走り方すら知らなかった。「頑張った分記録が伸びる」孤独な戦いにのめり込み、いつしか「教えてできるものではない」と顧問に言わしめる美しいフォームを完成させた。「陸上が大好き」。気持ち一つが原動力だ。
ライバルの思い刻む
大きな後押しもあった。同じく城山陸上競技場をホームグラウンドとし、予選で敗れた勝俣航希君（相洋高３年）が決勝直前、選手招集所で待っていた。マジック片手に「書いていいか」と問われ腕を出すと、そこには”小田原魂”の文字。「その気持ちがうれしくて」。ラスト３００ｍで失速したものの、自己ベストを11秒縮める９分11秒78をマーク。ライバルの思いも力に変え、夢中で駆け抜けた。
「まだ弱い部分がある」と喜びより反省が先に出るのも、まだ伸びしろがあるからこそ。ＩＨでは「決勝に進出して、全国レベルに死ぬ気でついていきたい」。胸の高鳴りをそのままに、初の大舞台に立つ。
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