相撲の県高校新人大会が11月10日に川崎市で開かれ、旭丘高校が団体戦で創部9年目にして初優勝。来春の全国高校相撲選抜大会(高知大会)への出場権を獲得した。
3人制・総当たりで行われた決勝リーグは、東西を分かつ宿敵・向の岡工高との事実上一騎打ちとなった。
「一勝の重み」。新チームとなり、主将に任命された奥知久さん(2年)が何度も口にする言葉だ。10月に行われた関東選抜では3年連続3位と幸先の良いスタートとなったが、準決勝は大将を任された自分の1敗でチームも敗れた。「大事な一番で負けてしまう…自分の弱さです」。これまで「あと一勝」の所で幾度となく涙を呑んできただけに、もう負けたくない。県新人にかける思いはひとしおだった。
「調子も良く、気持ちがこもっていた」。主将の覚悟を感じたのか、岸田光弘監督は奥さんを先鋒で起用。確実に星を取るムンクジャルガルさん(2年)を中堅、大将に星奈柾輝さん(1年)を配し、先手必勝のオーダーを組んだ。
命運を託された奥さんが土俵に上がると、懸命に声を張り上げる仲間の姿が映った。「チームで戦ってると思えたら気が楽になった」。自分が勝てば、流れは絶対に来る。体格で勝る相手に一旦は俵を背負うも、冷静に体勢を整えると、気迫で寄り切り、金星を上げた。その後は狙い通り中堅戦で勝ち、2対1で王者を退けた。試合後「よくとったな」と岸田監督から短く声をかけられ、奥さんから笑みがこぼれた。「目標は全国で勝つこと。今日の一歩を大切にまた頑張ります」。自らの白星で、チームを勝利に導く―主将としての責任と覚悟をみせた大会となった。
なお個人では奥さんが80kg級で優勝、野地峻良さんが無差別級、100kg級で原尾文隆さん(共に1年)が準優勝した。
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