サービスエリアなどの土産コーナーで見掛ける手のひらサイズの「豆本キーホルダー(リリパット)」。実は、小田原市南鴨宮を拠点に全国に土産品を卸している(株)やまと物産(播摩大輔代表)が手掛けている商品だ。
1980年代後半に誕生したこのキーホルダーは、同社の先代・播摩昭男さんのアイデアで生まれた。当時、流行していた豆本は製本も良くなく、まちで見掛けた昭男さんが「中身を充実させればもっと売れるのでは」と「英和辞典」を作ったのが始まり。カバー付きのキーホルダーとして、卸を通じて全国の観光地で販売すると「小さいけれど実用的。子どもでも買える価格」と小中学生の間でたちまち人気商品に。勢いに乗り、「英会話」「ことわざ」「占い」など続々と商品化。すべてオリジナルの内容で、小さくても読めるように文字を減らすなどの工夫も施した。中でも90年代前半に発売した「なぞなぞ」は大ヒット。売上の半分を占めるほどになったという。最盛期には全種類で年間165万冊を出荷し、一大ブームを巻き起こした。
現在も「なぞなぞ」をはじめ「恐竜図鑑」など7種類は、東名高速の足柄SA(下り)や海老名SA(上り)などで販売中だ。3年前に代表を引き継いだ大輔さんは「アナログなことが子どもたちには新鮮なのかも。初版から内容を変えていないものもあり、『懐かしい』と親世代からの問い合わせも多い」という。「まだまだ可能性のある商品。新作にも挑戦したい」と意気込んだ。
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