横浜市は通行スペースの確保や美しい都市景観、防災などを目的に、電線類を地中化する無電柱化を進めている。整備候補路線約48Kmについては概ね30年での完了を目指すが、コスト面など整備のハードルは高く、2014年度は約0・6Kmの整備にとどまっている。
無電柱化は景観の向上やバリアフリー化の推進のほか、地震などの災害時に電柱が倒壊する危険がなくなり、防災対策になる。
市では国交省の計画に基づき、電線の地中化を1986年から開始。現在は13年3月に策定した「横浜市無電柱化整備計画に関する方針」にのっとり、都市計画道路の新設・拡幅事業などを行う際や、発災直後の応急対策に寄与する路線など整備候補路線約48Kmについて無電柱化を進めている。市は同路線を概ね30年で完了したい考えだが、具体的な事業計画を作成しているわけではない。13年度から17年度までは環状2号線や山下本牧磯子線など約5・8Kmが整備対象となっているが、昨年度は約0・7Km、今年度は約0・6Kmの整備にとどまるなど、大きく進展していない状況だ。
電線の地中化には複数の方式があるが、市は東電やNTTなどの電線を一括して収容する電線共同溝方式を中心に採用している。この場合、市負担は1Kmあたり約8億円で、それとは別に事業者側の負担もある。東電によると電柱を立てる場合と地中化する場合で10倍程度コストが違うという。市と事業者共に負担が大きく、調整に時間がかかることなどが、整備が進まない一因だ。
東京は計画達成へ
一方、東京都は07年に「東京都無電柱化方針」を作成し、横浜市と同じ電線共同溝方式で無電柱化を進めている。特に山手通りと荒川に囲まれた「センター・コア・エリア」内では道路の両側を含めた整備対象延長約536Kmに対し、13年度末時点ですでに85%の整備を終えており、20年の東京五輪までに100%を達成する見込みだという。
国レベルでは自民党が「無電柱化基本法案」の成立を公約とするなど無電柱化推進の動きがある。市道路局も国の動向を注視し、整備計画の見直しを検討中で、「減災面での効果もあるため、なるべく早く進めたい」と話している。
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