全国から注目を浴びている自治会が都筑区内にある。都筑ふれあいの丘駅周辺、高山・葛が谷地区の高山自治会だ。中心となって活躍する役員の半数以上が40代以下の若手で構成されている点などが話題となり、高齢化が進む他県の自治体から井上晴彦会長(75)に講演依頼が相次いでいる。
19日、埼玉県三郷市から市長や自治会関係者ら約70人が都筑区役所を訪れ、井上会長の話に耳を傾けた。木津雅晟(まさあき)三郷市長は、「都心に働きに出ている人が多い点は共通しているので、地域の方々とどうまちづくりをしていくか、参考になった」と話している。
昨年12月、全国各地の特色ある自治会などの活動を紹介する情報誌「まち・むら」に同自治会の取り組みが紹介された。その後、講演依頼が相次ぎ、21日は福井県鯖江市で話してきたばかり。12月6日は横浜市神奈川区、来年1月30日は青森県八戸市で講演を行う。
なぜ一自治会が全国的に注目を集めているのか。井上会長は「高齢化が進み、次の世代にどうバトンを受け渡していけばいいのか、どこの自治会もヒントを探しているのでは」と推測する。同自治会は520世帯が加盟し、平均年齢は約35歳。今年の役員構成は30代2人、40代6人、50代5人、70代2人の計15人。
総務を担当する松下真也さん(40)はこう話す。「自治会は年配の人たちが多く、私自身若い人が入っていきにくいイメージを持っていて、いままで関わってこなかった」。しかし、6年前に高山地区へ引っ越してきたことを契機に、自治会の活動に参加するようになる。「同じマンションの若手住民に声をかけられて、イベントなどを手伝うようになりました」と振り返る。
同自治会は1年ごとに役員が代わる輪番制のため、1995年の自治会創設以来、現在までに役員経験者は約250人にも上る。役員を退いた後も、自主的にサポート役に回る会員は多いという。
井上会長は若い世代の加入を促すための秘訣について、「シニア世代は一歩引いて、従来の慣習にとらわれず、若い人に積極的に役割を振ることが大事。私はサポート役にまわります」と話し、あくまでも黒子役に徹している。
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