朝・昼・夕・夜と揃う アサガオの仲間 ヒルガオ 日本自然保護協会自然観察指導員金子昇(富岡西在住)
”高円(たかまと)の野辺の容花(かおばな)面影に 見えつつ妹は忘れかねつも” 大伴家持
歌の意味は、高円の野原に咲くヒルガオが、美しい女性に見えてきて、その女性を忘れることができない。
万葉集の中の「容花」とは「ヒルガオ」のことで、古来より「カオバナ」として歌われていました。その後大陸から現在の「アサガオ」が渡来し、江戸時代には一大ブームを起こしました。そこで、在来種のカオバナをアサガオと区別するため、「ヒルガオ」としました。しかしヒルガオもアサガオと同様に朝から咲き出しますが、命名が遅かったため「昼」となりました。また、ユウガオ(ウリの仲間)は干瓢(かんぴょう)の原料にする野菜、ヨルガオはアメリカ原産の園芸種で、どちらも夕方から咲き出し、朝方しぼみます。ヨルガオの方が後から渡来したため、しかたなく「ヨルガオ」と命名されたのです。これら4種のつる植物は、ユウガオだけが野生種、他は栽培種となります。
なぜヒルガオを「カオバナ」と呼んでいたのでしょうか。日本ではその昔、美しく麗しい人を「容人(かたちびと)」といい、そこから大きく美しい花を「容花(かおばな)」と表現していました。これが名の由来です。
コヒルガオは区内の道端、垣根、公園、山林等いたる所で観察することができます。
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