電力使用制限解除 「節電の夏」乗り切る 地道な取り組み 区内でも
政府は9月9日、7月1日から発令していた電力使用制限令を解除した。今夏、金沢区内でも地道な電力節減策がとられ、「電力不足」を乗り切った。行政・企業・商店、それぞれの取り組みを振り返る。
節電の取り組みでは、政府が示した使用最大電力一律15%削減(前年比)を上回る20%を目標にした施設・事業所が多かった。
照明の使用抑制策としては、間引きのほか、LED照明の導入も見られた。金沢区役所は、館内照明100個をLED化。またイトーヨーカドー能見台店では、1階食品売り場の照明のうち9割をLEDに換えた。同店では、照度を抑える対策も実施。2階売場などで普段の7割の明るさで営業している。
サマータイムを導入したのは、イオン金沢シーサイド店。営業時間を1時間繰上げて午前8時から午後10時までとし、電力使用ピークをずらした(実施はきょう22日まで)。
空調に工夫
他の商業施設と同じく、最大消費電力20%削減を目標にしたアピタ金沢文庫店。省エネルギーを推進する「エコファースト企業」として環境省の認定を受けたユニー(株)が運営している。電力消費に最も影響する空調に目をつけ、開店前に売り場を「予冷」しておき、ピーク時には冷房を弱める対策がなされた。さらに、とくに熱を発する売り場の水銀灯を消し、気温上昇を防ぐ工夫も。これらの対策で、最大使用電力・総使用電力ともに前年比20%削減に成功した。清水良彦店長は「設備が古く、難しい面もあったが、売場の各従業員の努力が実った」と話した。
照明半減で「十分」
金沢文庫中央商店会では、街路灯20基すべてで、電球(水銀灯)を各2個から1個に半減。同時に電球交換とカバーの清掃を行い、使用電力を料金ベースで60%減らせたという。「半分にしても十分な照度。今までが明るすぎたんだと実感した」と同商店会。街路灯は今後も、明かりを半減させた状態で使用していくという。
一律削減に難しさも
一方、稼働日をずらす輪番操業などの対策に追われたのが、沿岸部の工場。鳥浜町の金沢団地協同組合では、目標に届かなかった会員企業もあったという。平時からコスト削減のためにさまざまな省エネ策を講じてきた企業ほど、今回の一律15%カットの達成が難しかったようだ。
各企業・施設の地道な努力が実り、当初危惧されていた大規模停電を回避できた「節電の夏」。賛否を含めさまざまな声が聞かれた。暖房を使う冬には、再び電力需要がひっ迫することが予想されている。
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