横浜市 要援護者名簿 原則提供へ 拒否者除き、有事に活用
災害時に自力避難が困難な「要援護者」と地域の防災組織の関係づくりを後押ししようと、横浜市は一人暮らしの高齢者や障害者の個人情報を自治会町内会などに提供する、新たな仕組みを打ち出した。来年中の運用開始を目指し、各団体との協議や条例改正に向けた手続きを進める方針だ。
要援護者の個人情報を自治会等に提供するための意思確認として、横浜市ではこれまで、支援を望む対象者が名簿登録を申し出る「手上げ方式」と、情報提供の同意を得た対象者のみ名簿に反映する「同意方式」を採用。併用や独自方式を含め、各区でいずれかの方式が取られてきた。
政令市初の導入を目指す「情報共有方式」は、名簿登録を対象者に事前通知し、拒否した人を除いて個人情報を提供するもの。対象者への意思確認に受け身だった従来方式に比べ、より能動的な支援につながることが期待される。同意方式が運用されている金沢区では、今年1月の調査で返信率は51%にとどまっている。
新方式について市健康福祉局では「同意の返信がない人や、妊娠中や育児中の人など市で把握しきれていない層をカバーするための選択肢になり得る」と見込む。同様の方式を運用する東京都中野区では、約1割の拒否率にとどまるという。
4月に行われた市の調査によると、市内の自治会町内会2873団体のうち、独自の取り組みを含むいずれかの方式を導入しているのは、約63%に当たる1815団体。同局では100%の導入を目標とし、「自治会の高齢化など課題はあるが、新方式が顔の見える関係づくりのきっかけになれば」と期待を込める。
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