横浜市に対する行政文書の開示請求が2012年度、3000件を超え、この10年で倍以上に増えた。最近では市立中学校、高校の定期試験問題の開示請求があり、学校現場が大量のコピー作業に追われていたことも分かった。市は増え続ける請求に対し、開示方法を工夫するなどの対応を進めている。
市は市民に身近で開かれた市政を推進しようと、条例に基づき、情報公開を進めている。開示請求の対象は市保有の行政文書。各区役所の受付窓口やインターネットから開示請求できる。原則、請求日の翌日から60日以内に開示される。
請求は03年度、1382件だったが、12年度に3261件と倍以上になった。市民局によると、最近は道路工事や公園清掃に関する金額入り設計書の請求が多く、建設、不動産業者からの申請が目立つという。
2万5千枚をコピー
昨年10月末、市立中学校と高校で12年度、13年度に行われた定期試験問題の開示請求があった。学習塾経営者が問題を販売しようと請求したもの。学校数が少ない高校9校分は1月17日に試験問題のコピー約2万5千枚を請求者に送った。148校ある中学校分は特例措置を講じ、開示期間を今年9月まで延長していたが、この件が新聞などで報じられたことを受け、請求者が2月19日に取り下げを申し出た。ある中学校の校長は「まだコピーはしていなかったが、仮にしていたら、何時間もかかり大変だったと思う」と作業がなくなり、ほっとしたという。
今回のように、文書が大量だったり、過去数年にさかのぼった請求の場合、開示までに時間がかかる。市民局によると、年に数件は文書量が多く、期間を延長するケースがあるという。
直接閲覧も
スムーズな開示を目指し、市は請求が多い文書をあらかじめファイルにまとめ、すぐに公開できるようにしている。例えば、道路工事設計書の一部は市庁舎内の市民情報センターで閲覧できるようにしている。市は「ニーズに応じて対応したい」と今後の方針を示している。
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