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連載 かねさわ地名抄 第25回「北台展望台」 文・NPO法人 横濱金澤シティガイド協会

公開:2014年4月3日

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富岡海荘図巻(富岡付近)
富岡海荘図巻(富岡付近)

 桜の景勝地として有名な富岡総合公園北西部の高台にある展望スポットが、北台展望台です。横浜開港の地である関内地区並びに本牧の方角を向いています。

 この展望台には、ゴツゴツした石が埋め込まれた半球状の不思議なモニュメントがあります。周囲に刻まれた東・南・西・北の文字は、本牧市民公園内の上海横浜友好園建設のため横浜を訪れていた中国人の筆によるとのこと。

 この地はかつて、青砥山から海沿いに続く「ツクモ鼻」と呼ばれる景勝地でした。以前は富岡の山の先が海であったことがよくわかります。海藻が塩の流れで打ち寄せられる浜だったため、ツクモ浜と呼ばれるようなったといいます。1888(明治21)年旧海岸ツクモの浜に、明治の元勲太政大臣を務めた三条実美公が別荘を建て、「富岡海荘」と名付けました。

 公はこの別荘を中心に本牧(中区)から観音崎(横須賀)までの海岸線の風景を、1889(明治22)年日本画家荒木寛畝に命じて描かせました。この絵は「富岡海荘図巻」=写真=とよばれ、現在横浜開港資料館に所蔵されています。

 戦後文壇の鬼才と呼ばれた三島由紀夫が、1963(昭和38)年講談社の書き下ろし長編小説「午後の曳航」を発表しました。その最終章に青砥山の高台、現北台展望台あたりが描かれています(当時は米軍の接収跡の残る丘でした)。作中で主人公の少年は、「輝かしい英雄」と思っていた航海士が母と結婚したことを「裏切り」と考え、航海士を誘い出し、杉田から青砥の山沿いに富岡トンネルを抜け、左側高台の丘の上で毒殺してしまいます。

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