銅メダルを下げる＝写真上＝、アジア大会で演武する（本人提供）
過去２大会は銀――９月22日、アジア大会の女子太極拳・太極剣に出場した内田愛選手（大川・29）の３度目の挑戦は銅メダルに終わった。しかし「ベストを尽くせた。悔いはない」と、溌剌とした笑顔を見せる。
五輪種目にない太極拳。アジア大会は最高峰に位置する。「コートも一つだけ。大勢に見られながら一人で演武する姿を想像して臨んだ」。跳躍などの難度の高い動作を決め、のびのある演武を披露。太極剣で９・65、太極拳で９・66を叩きだし３位に輝いた。
小学３年でついた空手の指導者の勧めで、太極拳を始めたのがその１年後。中学１年で初出場した全国大会で、初優勝を飾ると頭角を現し始めた。五輪種目入りを見据え、競技性の高いアクロバティックな難度動作が導入された２００５年。新ルールにも柔軟に対応し全日本で10連覇を遂げた。改訂以降、これまで必要だった持久筋に加え瞬発力をつけるため体幹トレーニングを重視。「練習を一番した人が一位になると信じてやってきた」と話す。
魅力を感じるのは、太極拳本来のしなやかな動き。「力を抜いて動くのは難しいけど、上手くつながると気持ち良い」。１５３cmの小柄な身体をいっぱいに使う力強さと、小学生の時から体に染みこむゆるやかな動きが最大の武器だ。現在は横浜市内数カ所で教室を開き、普及に努める。「生徒の生きがいになるような手伝いができれば。いつかは若い世代も育ててみたい」
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