浅野中高サッカー部 岩手で被災地支援 現地の中高生と交流も
浅野中学・高等学校=子安台=のサッカー部が3月26日から28日まで、東日本大震災で津波による影響を受けた岩手県陸前高田市などに行き、側溝の泥出し作業や現地の中高生と交流試合などを行った。
ボランティア活動を行うきっかけとなったのは、顧問・永山晃教諭の「これからの時代を背負う生徒とともに現地を訪れ、多くの事に気づいてほしかった」という思いからだった。保護者の中に震災ボランティアの事務局スタッフがいたため、現地ボランティア団体や地元紙「河北新報」などの協力を得て実現した。
26日、当時の中学3年生から高校3年生まで43人が参加し、夜行バスに乗って被災地へ。気仙沼では荒れ地を利用した園芸用土の袋詰め、陸前高田では側溝の泥出し作業に取り組んだ。津波により土砂でいっぱいの側溝からは靴やリモコン、写真、身分証明書などが見つかり、主将の安永昴史くん(現高3)は「少しでも多く持ち主の手に渡ってほしい」と話していた。
27日には、長部小学校仮設グラウンド=陸前高田市=で、大船渡市の高田第一中学校・高田高校のサッカー部と交流試合を行った。練習場だった市営グラウンドが現在も浸水しているため、市外などに行って練習していた2校。高田高校サッカー部顧問の菊池選教諭は「震災から2年が経って皆さんが来てくれて嬉しかった。関東の洗練されたプレーにとても刺激を受けた」と喜んでいた。
また、高田高校3年・小友茜李さんと菅野万惟さんによる講話も行われ、「母親とケンカをして登校したあと、母と姉が亡くなった。今いる家族や身の回りの人たちを大切にしてほしい」などの被災体験が語られた。「被災した人たちの考え方に触れ、強い意志を感じた」と安永くん。現地で復興活動をしている「SAVE TAKATA」理事・伊藤英さん(陸前高田出身)は「被災地に友だちを作って、つながりを持ってほしい。そして自分の大切なものは何かを考えてみてほしい」と浅野生に伝えた。
「復興」見えず
実際に部員たちが見た被災地は、曲がった線路や家などの基礎だけが残り、「何もない」ただ片付いただけの状況だった。「復興」には程遠い現状を見た山田陽くん(高3)は「2日間の作業でできた仕事はわずかだったので、繰り返すことが重要だと感じた。被災地の現状を他の人に伝え、決してこのことを風化させない」と語った。副主将の遠藤史彬くん(高3)も「復興には『直接ボランティアに行くこと』『地域のものを買うこと』『この経験を知らない人たちに伝えること』が大事。またこの町に来たいと素直に思った」と感想を述べ、永山教諭は「今後も交流を続けたい」と話している。
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