横浜市はこのほど、4月1日現在の保育所待機児童数が前年対比で179人(神奈川区11人)減少し、0人になったと発表した。国は「横浜方式」を評価しているが、現場では急速な政策実現に戸惑う声もあるという。区内の保育の現場を取材した。
横浜市は5月20日、「2010年から3年間でゼロにする」としていた待機児童数が昨年から179人減少し、0人になったと発表した。神奈川区内でも、この1年間で待機児童数が11人から0人に減少。認可施設数は28施設から34施設、入所児童数は2757人から3099人にそれぞれ増加している。
これは保育事業への株式会社の参入促進による定員数の増大、保育コンシェルジュによる情報提供など、様々な政策を積極的に推進してきた一定の成果であり、横浜市一般会計予算に占める待機児童対策予算が、この4年間で4・5%から6・2%へ1・7ポイント拡大したことからも、その本気度が窺える。
現場との認識のズレ
その一方で、現場からは急激な施設増加による保育士不足や、特例的に園庭がない施設などが増えたことを危惧する声も聞かれる。ある保育園長は「東神奈川周辺に集中するなど、地域バランスが悪いため通えない人もいるようだ」と指摘する。これについて区子ども家庭支援課は「保育所の新施設は、人口動線等のデータ分析を基に横浜市こども青少年局が認可している」と、適切な立地が行われているとの認識を示した。
区内の保育支援施設を訪れていた女性は、「希望と違う保育所なら大丈夫だったが、通うのは難しいので祖母である私が面倒を見ている」と話す。このようなケースは待機児童ではなく保留児童とみなされるため、その実態は見えにくい。実際、「保育所に入りたくても入れていない人はいる」と話す保育関係者は多い。
市長のリーダーシップで強力に進められた待機児童ゼロは評価されるべきだが、さらに、今後は市民のニーズをしっかりと捉え、それに応えていく施策が期待される。
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