地域のつながり大切に 川名区長、今年の展望語る
本紙は年頭にあたり、神奈川区の昨年の取り組みと今年の展望について、川名薫区長にインタビューを行った。川名区長は待機児童数「ゼロ」の達成などを振り返るとともに、「つながり」を重視する神奈川区独自の取り組みなどについて語った。
(聞き手/本紙編集長 藤原裕志)
――まずは昨年度の神奈川区政は、どんな1年だったでしょうか。
「市を挙げて2010年から3年間での待機児童の解消を掲げ、神奈川区でも、新設保育所の整備や保育コンシェルジュによるきめ細やかな対応等の取組を進めてきました。そして昨年4月に待機児童数『ゼロ』を達成することができました。
また、東日本大震災を踏まえて市の防災計画を改定するとともに、よこはま地震防災市民憲章を策定し、発災時の自助共助の大切さの啓発に取り組んでいます。神奈川区においても、新たに区独自の家具の転倒防止対策補助事業『かめのふんばり・つっぱり事業』を導入し、自助がいかに大切かを訴えてきました」
――新年の展望として、2014年度の重点事業について教えて下さい。
「交通の利便性が高い神奈川区は若い方の転入も多く困難な課題ですが、待機児童数『ゼロ』の継続を目指し、地域での子育て支援を推進し、安心して子育てできるまちにしていきます。
防災減災対策については、自助共助を強める支援をしっかり施策化していきます。震災発生時、木造密集住宅地域が多い神奈川区の最大の懸念は火災です。まず、自宅から火を出さない。延焼を最小限に食い止めるために日頃から啓発に努めるとともに、簡単に取扱いができる消火器具の普及を進めます」
――「地域力」の重要性が叫ばれていますが、神奈川区の取り組みはいかがでしょうか。
「即効性のある取組ではありませんが、地域の『つながり』を強める取組を、今年度から体系立ててじっくり取り組んでいきます。『つながり』というものが可視化されたものが自治会町内会加入率だと考えています。防災・防犯、街の美化など、日常の暮らしの課題を地域として共同で解決していくのに、自治会町内会は不可欠の存在です。一方、転出入の多い神奈川区は加入率が年々低下しています。
団塊の世代のリタイアが始まって5年余り。誰もが何らかの意味で社会に貢献したいという潜在的な意欲を持っていると思います。その思いを何とか地域活動の担い手としてのあり方につなげるマッチングが必要になっています。横浜市の高齢化は進んでおり、今から20年後には約3人に1人が65歳以上になると予測しています。大地震も必ず到来すると考えられている折、これからの暮らしに何よりも求められるのは『地域のゆるやかなつながり』だと思います。
これらの取組の下支えになるのが、昨年度から始めた『地区担当制』です。21ある地区連合ごとに、区役所の責任職が、地域自ら課題解決を進めるために、サポーターとして地域に伺っています。この地区担当制を基盤として、自治会町内会加入率の向上、担い手の拡大に、地域と協働で取り組んでいきたいと考えます」
――新春にあたっての区民へのメッセージをお願いします。
「大都市横浜における区役所の役割は、何よりも区民の『暮らし』『日常』というものを支えていくことだと考えています。
日常の暮らしを支えていくために『つながり』を作っていく、新しく転入してこられた方には『わが町かながわとっておき』などに代表される神奈川区の魅力資源をもっと知っていただいて、区民の皆さまに『神奈川区に暮らしてよかった』と思っていただけるよう、誰もが『つながり』『安心』『温かさ』を実感できるまちを目指していきたいと思います。
今年もどうぞよろしくお願いいたします」
日常を支える役割を地域と協働で取り組む待機児童数ゼロ継続へ
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