神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
神奈川区版 公開:2015年4月2日 エリアトップへ

いじめ対応 専任教諭配置で効果 早期発見体制進む

社会

公開:2015年4月2日

  • LINE
  • hatena

 いじめや不登校、発達障害など、子どもに関する課題の対応において校内の中心的役割を担う児童支援専任教諭。横浜市は2010年度から段階的に市内の小学校へ配置をすすめ、昨年度末までに全校配置が完了した。全校配置から1年、市教委で話を聞いた。

 児童支援専任教諭は、校内で中心となり得る教員の中から各校1人ずつ校長が指名。横浜市では10年度から70校ずつに配置を始め、昨年度、全341校に1人ずつ配置が完了した。

 専任教諭は学級を担任せず、担当する授業時間数は1週間12時間以下。軽減された時間は、副校長や学校カウンセラー、養護教諭との会議、家庭訪問、授業見学、登下校指導、地域巡回など学校全体に細かく目を配り、その都度情報共有している。小中学校間や児童相談所・警察署など、地域の関係機関との連携窓口にもなっている。

 配置はいじめや不登校など児童指導上の問題の未然防止と早期解決がねらい。学級内で問題があった場合、これまでは担任が抱え込みがちだったが、専任教諭が中心となり学校全体の問題としてオープンにすることで、組織で解決する方向へと教職員の意識も変わってきたという。

解消率も向上

 配置効果がよく表れているのがいじめの認知件数と解消率だ。児童1千人あたりのいじめ認知件数は専任教諭配置前の09年度2・6件だったのに対し、280校に配置した13年度は4・7倍の12・3件にまで増加した。

 市教委は「いじめ防止に向けた一斉キャンペーンや全校無記名アンケートの実施などで不安や悩みを抱えた生徒の把握に努めていることに加え、専任教諭の配置で実態把握が進んだ面もある」と分析。同様にいじめの年度内解消率は88・9%から97・1%へと、8・2ポイント向上した。

潜在化などに課題

 一人ひとりの状況に応じた指導で成果を上げる専任教諭だが課題もある。いじめは大人が気づきにくい悪口や嫌がらせ、仲間外れなどが8割を占めると言い、さらにスマートフォンの普及によりSNS等を使った新たないじめはその潜在化が危惧されている。

 また、専任教諭が担当する領域が児童・保護者の困り事全般に渡ることから高い知識と経験・専門性が求められている点だ。市教委は「毎週指定研修を実施している。今後も問題に対して的確に対応できるよう努めていきたい」と話した。
 

神奈川区版のトップニュース最新6

工場見学が累計30万人

日産自動車横浜工場

工場見学が累計30万人

愛され続けて90年

4月25日

DX対応でサイト新設

地域子育て支援拠点

DX対応でサイト新設

6月開始のアプリと連携も

4月25日

謝金、倍額に引き上げ

特別支援教育支援員

謝金、倍額に引き上げ

ニーズ発掘し、人員確保へ

4月18日

デジタル端末貸与を実現

神奈川工業高定時制

デジタル端末貸与を実現

地元企業連携では全国初

4月18日

追突事故が増加中

神奈川警察署管内

追突事故が増加中

15日まで交通安全運動

4月11日

障害者診療「限界近い」

横浜市歯科保健医療センター

障害者診療「限界近い」

二次機関拡充求める声も

4月11日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月18日0:00更新

  • 2月29日0:00更新

  • 2月15日0:00更新

神奈川区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

コラム一覧へ

神奈川区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月26日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook