桜並木の保全を考える 行政・住民による取り組みに期待
鷺沼や宮崎台など市内でも有数の桜並木がある宮前区。「区の木」にも指定されるサクラを愛でようと、毎年この季節を楽しみにする区民も多い。ただ、ソメイヨシノの寿命は一般的に50〜60年とされ、保全対策とともに将来を見据えた取り組みが課題だ。
田園都市線宮崎台駅と鷺沼駅前のサクラは、1966年の駅開業とあわせ街路樹として整備された。品種はソメイヨシノで、一般的に50〜60年の寿命といわれる。しかし市内の街路樹を管理する市緑政局によると「公園の樹木と違い、街路樹の多くは根元周辺が舗装されており、生育環境としては望ましくはない」と指摘する。街の象徴ともいえる桜並木を維持させるためには、保全と計画的な更新(植え替え)が必要だ。
川崎市では街路樹更新整備等事業として、サクラを含めた街路樹全般の調査および更新を行なっている。ただし、枯れ木の撤去のほか交通標識の妨げになる枝葉の伐採にも難色を示す住民もいるなど「サクラは特に住民の思い入れが強い」という。また、「区の木」に指定している宮前区でも保全への取り組みは行なっていないのが現状だ。
一方、他都市では住民主体で保全を行なっている地域もある。
世田谷区・上北沢では約50本ある樹齢80年の桜並木を将来にわたって維持していこうと、住民主体による「上北沢桜並木会議」が2004年に発足。住民が落ち葉清掃やセミナー、観察会などを実施。行政とも連携し、地道な活動を続けている。
また、サクラを「区の花」に指定する横浜市南区では、5年前に「南区サクラ保全・活用計画」を策定。同区内を流れる大岡川沿いのサクラを対象に、児童による観察会や植樹、伐採したサクラを使った工作など住民と協働による取り組みを行なっている。
宮前区の板橋洋一副区長は「サクラを含めた街路樹は、区を象徴する景観の1つ。歩道のバリアフリー化や台風時の倒木などの例もあり、今後住民の皆さんとも議論が必要な課題」としている。
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4月26日
4月19日