区内潮見台に2014年5月、川崎市で初めての認知症疾患専門病院「かわさき記念病院」が開院予定であることがわかった。急激に増加が予想される認知症疾患に対して、短期集中的な治療とケアに特化した病院になるという。
国内の認知症治療・ケアは従来、20床以上の大規模単位で行われてきたが、同病院では1病棟を3ブロックに分けて16〜18床にして小規模ケアを行う。同病院診療部長に就任予定の高橋正彦医師によると、「この小規模ケアは患者が自分の生活圏を把握でき、短期間で心の安定や認知症の症状改善、進行予防に効果があると考えられています」と話す。
福祉先進国ではさらに少ない10床が標準で、日本ではすでにグループホームや特老などがこのケアを取り入れている。しかし、医療機関ではほとんど取り組まれていないのが現状だという。
かわさき記念病院は潮見台2441番の1他に開院予定。診療科目は精神科と神経内科。地上5階建てで、総面積は約8810平方メートル。延べ面積は11868平方メートル。
認知症疾患医療センター目指す かわさき記念病院
病床数は6病棟各50床。計300床を予定している。そのほか、生活機能訓練回復室兼作業療法室、在宅療養訓練指導室など設置される。医師は約10人、看護師約90人、精神保健福祉士などを含め総勢約215人が治療にあたる。
運営は区内犬蔵や横浜市で介護老人保健施設や病院を経営する医療法人花咲会が行う。
開院後は認知症疾患医療センターの認定を取得し市内の中心的機関を目指す。
同センターは、地域医療機と連携し、診断や治療が難しい認知症高齢者の受け入れや、初期段階では判断が難しい患者の専門医による診断、セミナーの開催など、地域の中で認知症対策の支援を進めていく機関。
同病院の開設準備室では、すでに地域包括支援センターや行政、家族会らとの認知症対策の取り組みも共同で開始し、11月からはケアマネジャーとともに勉強会を開く予定だ。
高橋医師は「今後も地域の様々なニーズに合わせた連携・支援の取り組みや情報発信を進めていきたい」と話している。
厚生労働省の12年度の調べでは、市内には約2万人の認知症患者がいると推計されているが、病床は44床しかなく、慢性的に不足している。
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