宮前区が今月6日から実施を計画していた、区内におけるタクシー車両を借り上げ無料で走らせる実験が見送りになった。2日に開かれた市議会まちづくり委員会で、疑問や異論が噴出したためで、区は「事業の調整・周知に不備があった」と理由を説明している。
区が計画していた実験は、丘陵部に位置する宮前区で、今後さらに高齢化が進み運転免許の返上等により移動の足の不足や買い物の不便が増えることを想定した場合の参考事例を集めるためのもの。
2月6日から19日までの14日間、区の地域課題対応予算300万円を使いタクシー車両を借り上げ、運賃無料で走らせるとしていた。
しかし、開始直前の2日に開かれた市議会まちづくり委員会で各市議から疑問や異論が噴出。【1】他地区では同様の実験を運賃を取って行っているのになぜ無料なのか【2】同区内では住民の力でコミュニティバスを運行させている地域もあるのに不公平では【3】参考例にするための実験でなく本格運行に向けたものと勘違いしている住民も多い―などの指摘がされた。
同委員会の木庭理香子委員長は「問題は、事前に区選出議員や交通施策室に相談も報告もなかったことと、区職員がコミュニティ交通の取組について理解していなかったこと」と指摘する。
区の担当者は「様々な意見を伺うことが目的だったので、より多くの方に参加してもらえるように無料にしたが、十分な周知が図れず誤解を招いた」と話した。
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