都筑区役所区政推進課は区内産農産物に親しみをもってもらおうと区役所総合庁舎前の朝市で、23日からポイントカード制度を導入した。たまったポイントは買い物用オリジナルエコバッグと交換でき、環境に配慮した朝市で、地産地消を推進するねらいだ。
2008年度から続けている朝市は年末年始を除き、原則、毎月第2、第4土曜日に開催。より多くの人にきてもらおうと、区役所の土曜開庁日に合わせた日程になっている。都筑区産に限定した野菜や卵を販売し、他区で生産されたものは一切販売されていない。
時季にもよるが、23日の朝市では白菜や大根、カブ、ネギなど約15種類ほどの野菜が並んでいた。野菜販売が5団体、卵は2養鶏場が参加し、日によって出店団体を調整している。同課によると、朝市の来場者数は、天候にも左右されるが、少なくとも毎回約30人以上は訪れており、多いときには80人ほどの来場者があるという。
エコバッグと交換
今回導入された仕組みは、金額の多寡にかかわらず1会計ごとに1ポイント分のシールを利用者に配布し、ポイントカードに5ポイント集めるとバッグと交換できるというもの。23日からはじまったカード・シールの配布期間は5月中まで。区役所前朝市で入手できるカードは300枚配布予定。
バッグ本体は、地域のために使ってほしいと「港北TOKYU S.C.」((株)東急モールズデベロップメント)から区役所に提供されていた。それを今回の企画に活用しようと区の担当者らがプロデザイナーと共同で、デザインを施した。
「メイドインつづき」の文字を囲むように並ぶのは、小松菜をはじめとした区内で収穫量が多い野菜の絵。「エコ」をイメージし、文字色は緑を採用した。
農家数市内1位
都筑区の販売農家数は344戸、農業就業人口は1023人でいずれも市内1位。経営耕地面積は約263haで、泉区に次ぎ2位を誇る(『2010年世界農林業センサス』より)。
同課の田中礼子課長は「農業は区の重要な資源。8年前から朝市を実施しているが、『知らなかった』という声がけっこうある。認知度を高めたいと思い、今回の企画を実施した」とねらいを話す。
生産者と交流の場に
23日の朝市で野菜を購入した中川中央に住む女性は「1回来てみて良かったので、また来ました。スーパーでも市内産の野菜は売っているけど、鮮度が違う」と太鼓判を押す。また、区役所前朝市がはじまった頃からほぼ毎回買い物にくるという茅ケ崎中央在住の女性は「調理方法など、その日の野菜の大きさに合わせて、生産者から直接話が聞けるのはスーパーではできない。だから寒くても足を運びたくなる」と笑顔で話す。
一方、朝市に出店している織茂養鶏場(南山田町)の織茂武雄さん(64)は「消費者と直接話ができる朝市は、(卵を)アピールするには良い機会になっている」と、長所について話す。「大量生産ではないので、スーパーなどの安売りには価格面では対抗できないが、鮮度の点では信頼をいただいている。消費者に理解してもらうまで時間がかかると思うが、努力していきたい」と商品価値をいかにPRできるかが勝負になってくるという。
田中課長は「朝市が消費者と生産者をつなぐ、きっかけになってもらえたらいい。区役所主導の朝市以外にも、直売所が区内全域に広がるような仕組みづくりを考えていきたい」と新たな地産地消の取り組みも視野に入れる。
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