横浜市 児童虐待防止に躍起 連携強化でプロジェクト
全国の児童虐待対応件数が2011年度に6万人弱と、厚生労働省の集計開始から21年連続で増加している。同年度の新規虐待把握件数が820件と過去2番目に高い件数となった横浜市は、児童虐待防止策を講じるものの、歯止めがかからない状況が続いている。
市によると、2011年度の新規虐待把握件数のうち、身体的虐待が320件で約4割を占め、心理的虐待250件、保護の怠慢・拒否が231件と続く。
年齢別ではリスクが高いといわれる「0〜5歳」の乳幼児の割合が310件と約4割で、虐待者は実母によるものが436件で5割強、実父によるものが306件で4割弱だった。
学校や家族・親戚、警察からの相談(通告)が多く、特に11年度は警察からが222件(前年比96件増)で全体の3割弱に増えた。
10年度以前から継続対応する数を含めた11年度末時点での虐待対応件数は2148件で、在宅児童への支援(継続指導・児童福祉士指導)が1393件と6割強を占める。
重篤事件を機に市は10年、発生予防策の推進、早期発見・早期対応の徹底、児童の保護・支援、保護者支援の充実、関係機関の連携強化など具体策を検討するプロジェクトを立ち上げ、11年に8つの対策等を推進する報告書をまとめた。
年内に報告書
児童虐待は様々な要因が絡むため容易に解決できるものではなく、市は各区の福祉保健センターと市内4カ所の児童相談所との連携強化等を見直す新プロジェクトチームを10月、区こども家庭(障害)支援課7人と児童相談所6人、児童相談所を除くこども青少年局2人で立ち上げた。
職員の認識のずれが支援のずれや漏れにならないよう、具体的な情報共有や役割の明確化等の実効性、円滑な運用等を目的としたプロジェクトで、月1〜2回の会議を重ね、連携強化による更なる児童虐待対策の強化を目指した報告書を年内にまとめる方針だ。
同時に市は児童虐待防止推進月間の11月、みなとみらい地区での「こどもハピネス」や市内18区でのキャンペーン等を通じ、市民向けの啓発を行っている。
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