大正末期から昭和の北山田から 第5回 都筑区の歴史を紐解く 文・絵 男全冨雄(『望郷』から引用)
歳(せい)の神(ドンド焼き)
歳の神(ドンド焼き)は、戦前は各谷戸の辻で行われていた。
昨年使われたお札、お守り、大掃除の煤竹(すすたけ)、新年の松飾り、書き初めなどを持ちよって焼く。各家庭で紅白のお餅の団子を枝に刺して、残り火で焼き、その餅を食べると今年は健康で送れると言われた。また、餅を刺した枝で柿の木を叩くと柿が豊作になると伝えられている。
昔は農家の屋根は草葺きで、よく火が飛んでも事故がおきなかったと思う。当番の方が、お酒、茶菓子を準備して盛大に行われていた。
これは先代の、暮れや正月の始末に困る物を一括して燃やし、正月気分を整理する生活の智恵と感じます。
近年は子供さんが平等に楽しめるように、町会の役員や理事で餅つきをして、会員に配布しております。
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▽ドンド焼き 時雨の雲に にじみ消え▽餅つきの 噂話に 薪が跳ね▽ドンド焼き 残り火整理の 水凍てし▽ドンド焼き 餅焼く頬が 先に焼け▽餅つきの 亭主あきれる こまめぶり▽松飾り 車で入場 ドンド焼き▽燃え上がり 役員安堵の 歳の神▽歳の神 薄闇消える 子らと餅▽一里塚 燃やして過去が ほしくなり▽初参り 財布覗いて 何祈る▽屠蘇の顔 巫女冷し頬 初参り
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