「いろいろな人に支えられていまの自分がある。記録で恩返しするしかない」―。
16歳、17歳が対象の男子棒高跳びユース日本最高記録、5m36を昨年10月に樹立した。11月22日には、東京五輪での活躍が期待される選手強化育成プロジェクト「ダイヤモンドアスリート」13人のうちの1人に日本陸上競技連盟から指定された。
188cmほどある身長は、中学1年時は158cm。「背の順で並ぶと、前から2番目でした」。江島さんが競技をはじめた中学1年生の頃から学校外のクラブで指導にあたる、コーチの平井勇気さん(36)は最初の印象についてこう語る。
助走のタイミングがなかなかつかめずに、跳躍をためらってしまう選手が多いというが、「(江島さんは)跳ぶタイミングが長けていた。彼は高さへの好奇心も強いし、怖がらない」。
人生最初の跳躍で、跳んでいる最中にバランスを崩し、足にスパイクが刺さる縫うほどの怪我をしたことがあった。それでも「跳べた時の達成感。楽しいという気持ちが強くて」と江島さんは当時を思い出し、苦笑いする。「いつも失敗からはじまる。自分、負けず嫌いなんで」。向上心が日々の成長を支えている。
神奈川区在住。「全国レベルの仲間と切磋琢磨したい」と体育コースのある荏田高に進学した。都筑中央公園はお気に入りのトレーニングスポットだ。「緑が多くて癒されます」。海外遠征に備え、少しでも英語の勉強になればと、洋楽を聞きながら園内をジョギングすることもある。
授業と部活、遊びなどオンとオフの切り替えができないと、競技への集中力も欠いてくるという経験から「生活態度があってこその競技力」をモットーにしている。陸上競技部顧問の内藤篤史教諭(50)は、「謙虚に学生らしく、しかし、小さく収まらず常に高いところを目指してほしい」と背中を押す。
「東京五輪は通過点だと思っています。昔は夢でしたけど、いまは現実的な目標です。生涯棒高跳びを続けたい」。未来を見据える江島さんの目は、しっかり前を向いている。
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