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中区・西区版 公開:2022年1月1日 エリアトップへ

横浜をクラフトビールの街に ビアバイクを活用し、地域を活性

文化

公開:2022年1月1日

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 屋根付きのカウンターでビールを飲みながら、生演奏をBGMに満面の笑顔で自転車を漕いでいる人たちがいる-。そんな不思議な目撃情報が、最近中区内で相次いでいる。この乗り物は一体なに?公道走っているけれど、飲酒運転にならないの?「とりあえずビール」が何より大好きな記者。はやる気持ちを抑えて、現場に急行した。

 噂の乗り物の正体は、(株)横浜ビール=中区住吉町=が所有する「ビアバイク」。運転手を務める同社広報・ゼネラルマネージャーの横内勇人さんに話を聞くと、ビアバイクは、オランダ発祥の移動式ビアカウンターで、オランダ人が好きな自転車とビールを融合させたもの。運転席にはハンドルとブレーキのみでエンジンはない。ビールを飲みながら複数の人がペダルを漕いだ動力で走行する。自転車なのでガソリン要らずだが「しいていえばビールが燃料」という、何ともユニークな乗り物だ。

 海外では8人〜15人乗りと大型のものが多いが、同社が所有するのは6人乗りで、国内の公道を走れるサイズになっている。なお、冒頭の飲酒運転?の問いには「ハンドルをきっている運転手が飲んでいなければ大丈夫です」とのこと。ペダルを漕いでビールを飲んでいる人たちは、あくまで「同乗者兼動力」だ。

乗る人が笑顔に

 横内さんが横浜でビアバイクを走らせることになったきっかけは2016年、横浜ビールに転職する前に家族で行ったハワイ旅行。「現地にビアバイクツアーがあると知った奥さんが、ビール会社に入社するからと予約してくれたんです」。最初はよそよそしかった同乗者たちも、ビールを飲みながら自転車を漕ぐにつれテンションがアップ。終わったころには性別も国籍も関係なく、みんなで肩を組んで盛り上がったという。「一緒に行った両親も、隣り合わせた初対面の外国人に『次飲みに行こう!』って誘ったりして(笑)。乗った人みんなが笑顔になる。こんなにも楽しい乗り物があるんだと感動した」と振り返る。

 帰国後は「とにかく横浜でビアバイクを走らせたい」という一心で、走行しているエリアやビアバイクの制作会社など全国各地を調べ、自転車観光が盛んな台湾へ視察に行った。しかし、当時事あるごとにビアバイクについて熱く語るものの、未知の乗り物に周囲の反応は薄かったという。

 最初にビアバイクが横浜の街を走ったのは2018年、日本大通りで行われたカーフリーデーのイベント。この時は公道ではなく通りを往復するだけだったが大きく注目され、賛同してくれる仲間も増えた。

コロナの先見据え新たな観光資源に

 2019年には公共空間を使った賑わい創出の実証実験として、横浜市と連携しながら、イセザキ・モールや元町、馬車道、横浜美術館前では初めて公道を走らせるなど、各地域でビアバイクを走行。コロナ禍ではイベントができないなか、ビアバイクで中区3カ所の醸造所を巡る試飲付の見学ツアーを企画し、クラウドファンディングで参加者を募った。

 イベントだけでなく定期走行を目指すなか、昨年横浜観光コンベンション・ビューローの「横浜クリエーションスクラム助成事業」に採択され、3月末までの期間限定でビアバイクツアーが始動。1月からは旅行会社や中区の「ホテルエディット横濱」と連携した宿泊付きプランの販売も開始し、ビールを活用した新しい横浜ブランドの構築を目指している。

市内醸造所がタッグ

 日本の国産ビール産業発祥の地である横浜には、現在クラフトビールの醸造所が10カ所あり、中でも中区は歩いて行ける距離に4カ所もある「日本で一番の密集地」だという。昨年、そんなクラフトビールを横浜の文化として根付かせ発展させることを目的に、市内のクラフトブルワリー数社が運営する「横浜クラフトビアマルシェ」実行委員会が設立した。同実行委員長でナンバーナインブルワリーの醸造責任者の齋藤健吾さんは、ビアバイクの醸造所見学付ツアーなどの取組に対して「ビールの作り手として、直接想いを伝える場となり嬉しい。各ブルワリーで異なる素材や製法なども飲み比べて楽しめる」とその魅力を語る。横内さんは「今後は2023年の定期走行を目指し、結婚式場との提携や車体をレンタルするなど街の活性化のために日本全国で走らせたい。街や人をつなげる乗り物になれば」と話し、クラフトビアステーションなど情報の発信拠点も作りたいという。ビアバイクは、3月末までハンマーヘッドの敷地内に展示されており、実物を見ることができる。

 さて、百聞は一見にしかず。記者も実際に体験してみた。みなとみらいの景色を臨みながらみんなで漕ぐ一体感。非日常感と外飲みの開放感が味わえる上、アトラクションのようなワクワク感もあり、友人を連れてリピートする人が多いという話にも納得。人と共有したくなる楽しさなのだ。しかし、自転車を漕ぎながら飲むといつもより酔いが回るのが早いような気が…。ビアバイクの楽しさは、ぜひ実際に体験して美味しいビールと共に味わって欲しい。ビアバイクの詳細・ツアー申込はhttp://www.yokohamabeer.com/BEERBIKE.htmlへ。

中区内には4つのクラフトビール醸造所がある。現在販売中のツアーでは横浜ビールとナンバーナインブルワリーを巡る
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