能登半島地震の被災地で水道管の破損などにより深刻な断水被害が発生したことに関連し、厚生労働省はこのほど、全国の主要水道管の耐震適合率(2022年度末)を公表した。横浜市は70・7%と、全国平均(42・3%)を大きく上回っている。
国は南海トラフや首都直下型の大規模地震に備え、水道水供給の要となる配水本管や送水管など「基幹管路」の耐震化を急いでいる。調査では、衝撃に強く管の継ぎ目に伸縮性や抜け出し防止機能のある「耐震管」に加えて、地盤状況などから地震に耐えうる通常の水道管も含めた基幹管路の割合を「耐震適合率」としてまとめている。
調査結果によると、横浜市の基幹管路(総延長約1050Km)の半分以上は耐震管で、耐震適合率は70・7%となった。全国平均を超え、国が目指している25年度末時点の目標値(54%)も上回っている状況だ。
都道府県別にみると、神奈川県(73・6%)は全国で最も高かった。また、県内では横須賀市や川崎市が80%以上となっている(上表)。
今年度から4カ年計画で対策
市は24年度から、4カ年の水道中期経営計画に取り組む。計画では家庭や事業所の給水管まで水を届けるための送配水管(全口径/9300Km)の耐震管率を、33%(23年度末見込み)から37%(27年度)まで引き上げることを目指す。
「管の耐用年数や埋設状況を踏まえ優先順位を付けて進める」と職員。計画期間中に、割れやすい鋳鉄(ちゅうてつ)管(約40Km)や、破損時の影響が大きい主に口径400mm以上の送配水本管(約20Km)を優先的に更新する。地域防災拠点や病院など重要拠点40施設につながる管の耐震化も急ぐ方針だ。
今年1月の能登半島地震で、より浮き彫りとなった断水対策の必要性。この地震を受けた対策の加速化などについて職員は、「今は地震の結果を正確に把握し切れていない状況のため、今後の検討課題としていきたい」と話した。
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