羽沢の農業地域では現在、1月7日(人日の節句)の「七草粥の日」に向けて七草(セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ)の収穫がピークを迎えている。同地域は国内でも有数の七草生産地。これから一週間、3軒の農家(七草研究会)で「七草セット」の出荷が最盛期を迎える。
1月7日(人日の節句)に食べるとされている七草粥。現在では、スーパーなどの店頭に「七草セット」が並ぶのは当たり前の光景となっている。しかし、30年ほど前までは野草を採取して七種をそろえるのが一般的だった。
そのような状況だった約30年前、大手スーパーの提案でセット販売を始めたのが、羽沢の7軒の農家だ。それまではスズナ(蕪)やスズシロ(大根)は一般的に生産されていたものの、ゴギョウやハコベラ、ホトケノザなどはほとんど生産されておらず、農家ですら川や野原などの自然のものを採取していた。全国的にも先駆けての取り組みだったため、当時はハコベラなどの生産ノウハウが無かった。そこで、種を自家採取したり、同じように七草の生産に挑戦している全国の農家と情報交換するなどの試行錯誤を重ね、現在の生産システムを確立するに至った。
現在は3軒の農家が、1シーズンで約36万パックの七草セットを関東近郊に出荷している。七草研究会の金子英樹さんは、12月26日から本格的な収穫を始めた。現在は150人がかりで作業を行い、1日に約3万パックを出荷している。今シーズンは冷え込みが激しく、蕪などの生育がやや遅れ気味だった。
金子さんは「出荷のタイミングは決まっているので、そこに七種類の生育を調整するのが大変なんです」と苦労を語るが、「産地と消費地が近いので、鮮度の高い美味しい七草を届けられる。ぜひ食べてもらいたい」と話している。
約150人で出荷作業
神奈川区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|