神奈川区の住民たちが出演する「神奈川区民ミュージカル」の10周年記念公演が8月2・3日、神奈川公会堂で上演された。区民ミュージカルの発足に携わった元中学教諭の村上芳信さんが初めて、脚本と演出を担当。10年間の集大成として、これまでのミュージカルの舞台を巡る物語を区民らが演じた。長年愛されてきた区民ミュージカルだが、村上さんは体調面の不安を抱えており、第一線からの引退を示唆。今後の存続は不透明となっている。
同ミュージカルは10年前の神奈川区民文化センター(かなっくホール)の完成に合わせ、多くの区民ミュージカルを手掛けてきた村上さんを制作責任者に招きスタートした。同実行委員会が主催した2回目からは、演劇教育による「人づくり」と演劇表現による「まちづくり」の推進を目的に、区内の歴史を題材にした物語を上演。延べ約340人の出演者たちは、舞台となる場所に赴く「フィールドワーク」を通じて作品作りに役立ててきた。
今回の作品『スターダム夢美港〜放射線を量る少女たち』は、毎年ミュージカルに出演していた女子中学生が、福島の原発事故をきっかけに、自分の暮らす町の放射線量を測定したことに着想したものだ。劇中では、町を愛する演劇好きの子どもたちが、「お台場公園」や「大口商店街」「子安浜」など、これまで区民ミュージカルの舞台となった場所を巡る「10年間の集大成」の物語に仕上がった。
役員会で結論
村上さんは、昨年4月に突発性難聴で右耳の聴力を失った。糖尿病とも戦っており「制作責任者としてやっていくのは無理だ」という。また、今年は区民の割合が5割だったこともあり、今後について「個人的には『東海道ミュージカル』のように活動範囲を広げていくことが必要ではないか」と話す。方向性は8月24日の役員会で決まる予定。
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