県立神奈川工業高校建設科の3年生9人がこのほど、伝統建築の課題研究として取り組んでいた日枝神社=栗田谷20の1=の修理作業を終えた。同校の卒業生が副会長を務める栗田谷南自治会(石川清美会長)からの相談を受け、地域貢献活動の一環として実施したものだ。
同校建設科の3年生は、グループに分かれ各課題について研究する授業を取り入れている。日枝神社の修理は、同校のOB会役員が副会長を務める栗田谷南自治会から相談されたことがきっかけ。学校側は神社の修理が研究テーマになると判断し、地域貢献の一環として活動に踏み切った。
「半端な仕事できない」
さっそく「伝統建築班」の9人は、6月から作業を開始。現地調査を行ったメンバーの一人、百岳海舟さんは「地域の人に愛されている神社なので、半端な仕事はできないと思った」と当時を振り返る。9人を指導した大西堅司教諭は「神社修理を通じて社会性を育んでほしい」と作業を見守った。
生徒たちは、県建築安全協会や県建設労働組合連合会の会員らに、修理に関わる法律や施工方法などのアドバイスを受けながら、腐敗部分の解体から図面描き、加工、組み立てに至るまでの作業を手掛けた。杉本光希さんは「破風板は触れるだけで崩れてしまうほど風化していた。現寸図を描くのに苦労したが、以前より良いものを作ろうと心がけた」と胸を張る。
発表会で報告
修理された日枝神社は、地域で長く愛されているという。完成の報告を聞いた石川会長は「生徒たちのおかげでとてもきれいになった。自分たちで修理するには手間も予算もかかるので、有難いことです」と感謝していた。
同校では来月、課題研究の発表会がある。横山喜久さんは「神社の修理は本来、宮大工の仕事。貴重な体験ができて達成感がある」と9人の感想を代弁した。
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