かなっくホールで活動する「お囃子プロジェクト」の代表で、邦楽囃子演奏家である 望月 秀幸さん 37歳
脇役に、光を
○…脇役になりがちな「囃子」の魅力を伝えるために、自分たちで主宰して何かをしたい――。そんな思いで大学時代の同級生と10年前に立ち上げたのが「お囃子プロジェクト」だ。主な活動はコンサート。観客に喜ばれる邦楽エンターテインメントを目指し、従来の古典曲だけでなく、サックスやギターなどジャンルを超えた楽器奏者を招いて、洋楽・ポップス・クラシックと様々な音楽をともに奏でる。2年前からはかなっくホールでも活動を始め、5月からは小鼓教室も開講する。「邦楽古典の良さを継続しつつ、今の時代に適応できるよう研究していかなきゃですね」
○…父母とも囃子奏者という家系に育ち、3歳から長唄、小学生で囃子の稽古を姉とともに始めた。持ち前の才気を発揮し物覚えは良かったものの「厳しい稽古が嫌だった」。中学受験で一時中断したが、高校の時に囃子を再開し三味線も習い始めた。その後東京藝術大学邦楽科に進学。大学院まで進み、邦楽の世界に足を踏み入れた。
○…音楽に向き合う楽しさを教えてくれたのは、20代半ばで出会った打楽器バンド・仙波清彦&カルガモーズのメンバーたち。「考えずにハートで伝える」その姿に触発され、囃子のように自身の演奏を極めるだけでなく、観客と向き合う大切さを感じた。これを契機に新たな視点を取り入れた今の演奏スタイルが生まれた。
○…幼少期からプロレスファン。武藤敬司の”ムタ”に憧れ、毎週欠かさずプロレス中継を観ていた。今でも観戦が趣味で、コンサートでプロレス曲を演奏するほど。ネガティブに考えそうな時は、アントニオ猪木の「戦う前に負ける事考えるやついるかよ!バカヤロー!」の言葉で自身を鼓舞する熱い人だ。
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