ニッパツ三ツ沢球技場をホームにサッカーJ3を戦うY.S.C.C.横浜の河辺駿太郎選手(25)が、競技のかたわらで羽沢町の花き店などで働きながら賃金を得ている。収入面からアルバイトとの「掛け持ち」をせざるを得ないアマチュア契約選手に、地域の企業などが働き口を提供する支援の取り組みを追った。
明治大学体育会サッカー部出身の河辺選手は、ドイツ下部リーグのクラブや地元大分県の社会人1部リーグに所属するジェイリースFCでのプレーを経て、今季からクラブに加入した。
トップチームには、37人が所属。河辺選手のようにアマチュア契約を結ぶ選手の多くは、サッカースクールでコーチのアルバイトなどをしながら競技を続けているという。
収入面でアマチュア選手をサポートしようという取り組みは、河辺選手も卒業した明大のサッカー部OB約60人に関するマネジメントやセカンドキャリア支援などを行う一般社団法人「明大サッカーマネジメント」が中心となって始めた。
同法人に携わり、緑区でコンサルティング業を営む榊原英治さんは、「コロナ禍でアマチュア契約でのスタートとなった河辺選手の働き口を探している」と法人関係者から話を受け、親交のあった三好種苗=緑区=の三好喜久夫さんに相談。羽沢町に支店がある同種苗店の取引先でもある餅田花園=羽沢町=が河辺選手を受け入れた。
スパイク履き替え畑へ
河辺選手は週に5日、チーム練習後に同花園の畑を借りて農作業を行う。明大では農学部で学んだが、本格的な農作業は初めて。「育つ過程を知ることで、野菜に対しての見方やありがたみを学びました」といい、園主の餅田伸行さんや三好さんの指導を受けながら、トマトやナス、ピーマンなどの栽培に汗を流す。三好さんは「収穫した野菜をチームと一緒に販売するなど、サポートの幅を広げていきたい」と、クラブとの協業なども検討したいという。
三好さんの呼び掛けで支援企業は増え、野菜栽培以外にも緑区でコインランドリーの清掃や焼き肉店での皿洗い、床掃除といった仕事を行っている河辺選手。サッカー以外のフィールドで社会との関わりを深めながら、「Jリーガーの価値や可能性を高められるよう頑張りたい。子どもたちにはサッカーに興味を持ってもらうことはもちろん、その他にも視野を広げるきっかけを与えられたら」と力強く語った。
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