視覚と聴覚両方に障害のある人たちのための地域作業所「わくわくわーく」=反町=が10月15日、創立10周年記念イベントを南公会堂(南区総合庁舎3階)で開催する。盲ろう者や全国でも数少ない盲ろう者の地域作業所への理解を深めてもらいたいと、活動紹介や作品販売などを行う。
わくわくわーくは、目と耳の両方が不自由な人のために活動の場を提供しようと2007年に設立。特別支援学校卒業後の進路を心配する家族の声に応えようと、盲ろう者の支援活動をしている人々によって発足されたという。
現在、10代から70代まで14人が通っている。主な仕事として、寄付された着物で作った裂き布草履や織り布製品、点字新聞を再利用したメモ帳や祝儀袋などを製作。そのほか、クラブ活動やレクリエーションなどをして過ごす。
彼らをサポートするのは、6人の職員と100人以上の登録ボランティア。手話や手のひらに指で文字を書くなどしてコミュニケーションをとる。通所者の一人、河野さん(63)は「草履づくりが楽しい」と手話を使って笑顔で答えた。
県内で唯一
厚生労働省の「盲ろう者に関する実態調査」(2012年)によると、県内の推計盲ろう者数は617人で、横浜市内には260人いるとされている。
盲ろう者のための地域作業所は県内で同所のみ。盲ろう者の多くは在宅生活を余儀なくされているか、視覚障害と聴覚障害どちらかの地域作業所に通っているのが現状だという。若松めぐみ所長=人物風土記で紹介=は「『盲ろう』という言葉はまだまだ知られていない。もっと多くの人に理解してもらえたら」と思いを語る。
和太鼓演奏も
10周年記念イベントでは通所者による和太鼓の演奏や作品販売、活動紹介が行われるほか、世界を舞台に活躍するダウン症の書家・金澤翔子さんによる席上揮毫と母・泰子さんによる講演も行われる。
時間は午後1時から。入場券は前売り2000円(当日2500円)。(問)同作業所【電話】045・313・1134
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