ミスター高橋の 連載 「貯筋」の心得 ㉑プロレスラーと風邪
今夏、各地の人間領域に出没した恐怖の腹ペコ熊たちも山へ戻り、冬眠の仕度を始めましたから厳しい寒さの到来も間もなくですね。となると用心しなくてはならないのが風邪―。
ところで、皆さんの中には「体を鍛えているプロレスラーらは風邪など寄せ付けないのでは」と思っている方もおられるのではないでしょうか。ところがまったくそうではないのです。私が在籍していた頃の新日本プロレスでも、レスラーたちは流行の最先端を切っていました。
レスラーに限らず、アスリートの弱点は科学的にも証明されています。激しいトレーニング後の彼らの筋肉は相当に傷つき、それを修復するのに免疫細胞が活発に働くため、痛みや炎症などを引き起こします。彼らの体がこのサイクルを繰り返しているうち、脳は免疫反応を抑え、痛みを抑制しようとしてしまいます。
風邪の多くはウイルスが原因の感染症。プロレスラーはウイルスが侵入してきても免疫力が十分に発揮できずに風邪をひいてしまうのです。現役時代の私はレフェリー兼外国人選手の担当として巡業を引率していました。移動は有りと有らゆる交通手段を利用しますが、メインは特注の大型バス。閉じこもった空間に一人の風邪ひきさんが出ると瞬く間に広がり、私も熱を出したままリングに上がったことは何度もあります。
しかしながら運動する人すべてが風邪をひきやすくなるわけではありません。「適度な運動を続けている人は、免疫力を高める」という科学的証明もされていますからご安心ください。私も適度な運動に転じている現在、もう長いこと風邪をひいたことがありません。
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