限りある水産資源の有効活用や魚食の大切さなどを伝えようと、横浜市中央卸売市場本場水産物部は11月13日、神奈川区内の9小学校で「未利用魚」を独自給食(※)のメニュー(小イワシのカレー揚げ)に活用する取り組みを試験的に行う。実施を前に11月1日、市場関係者が幸ケ谷小で出前授業を行った。
未利用魚とは、水産物の流通過程でサイズが不ぞろいであったり漁獲量が少なくまとめて出荷できないなどの理由から、肥料の原料に回されたり、廃棄されている魚のことを指す。未利用魚について、市場関係者たちは「正確な数は把握しておらず時期によっても違うが、かなりあるのは間違いない」と口をそろえる。
こうした状況下、同水産物部は11月13日に、市場がある神奈川区内の9小学校(青木小・神奈川小・神橋小・神大寺小・幸ケ谷小・子安小・白幡小・西寺尾第二小・三ツ沢小)と連携して、未利用魚を試行的に独自給食に活用する取り組みを行う。限りある水産資源の有効活用と減少傾向にある魚食の推進が目的だ。
出前授業で食育を
独自給食の実施を前に、未利用魚についての理解を深めてもらおうと、市中央卸売市場魚食普及推進協議会の齋藤融さんが、出前授業の講師として幸ケ谷小を訪れた。5年生児童約100人を前に、日本は世界有数の水産大国だが、魚を食べる量が減少傾向にあることなどを説明。「独自給食で未利用魚を食べてもらうことで、魚食について考えるきっかけにしてもらいたい」と話した。
総合の学習で地産地消について学んでいる5年2組の糸永百花さんは「市場について勉強してきたが、これまでで一番よい経験になった」。柴田悠花さんは「疑問に思っていたことが解決できてよかった。みんなに伝えたい」と感想を話した。
※学校単位で独自に献立を作成し実施する給食。
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